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デジタル版JCKLニュースレター

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特別寄稿
「新型コロナウイルス感染症」

新型コロナウイルスの感染が拡大し、医療従事者の方々は日々緊張の中で業務に当たられている。このウイルスに関してはまだ確認できていないことが多いようであるが、Mahameru IMCのバラトよしみ医師に、この感染症についてまとめていただいた。  



去年の11月に中国で始まった新型コロナウイルス感染症は、わずか4か月でWHO によるパンデミック宣言を受け、5月12日現在187ヶ国にわたり400万人以上の感染者、そして28万人以上の死者を出している。新型なので未だ分からない事が多いが、遺伝子的にはSARSのウイルスにとても似ている事が分かっている。
 

症状

特に初期は他の風邪のウイルスとは全く見分けがつかない。
症状の始まり方はゆっくりしていて、最初の数日は軽い風邪、喉痛、カラ咳。深刻化するのは1週目の終わり頃からで急に38度以上の熱、筋肉痛、倦怠感、咳。特に息苦しさは人工呼吸器が必要か否かの大切な目安で、この肺炎の悪化により1日、あるいは数時間で呼吸困難に陥る事もある。
この肺炎の原因はウイルスによる肺の組織破壊以外にも、感染者の過剰免疫反応で多くの炎症サイトカイン放出による組織破壊、それと肺内の微小血栓症、この3つが呼吸不全の原因だと分かってきている。重症化すると他の臓器、特に腎臓、心臓などにも負担が掛かり、慢性疾患持ちやお年寄り等を死に追いやる確率が高まる。
 

感染経路と新型コロナの特徴

他の風邪ウイルスと全く同じで、飛沫感染と接触感染とされている。
SARSは死亡率が約10%と高かったが、中国、香港、そしてそこから台湾、カナダ、シンガポール、ベトナムなどに留まり、8千人強の感染者、700人強の死者を8か月の間に出し、やがて封じ込められた。感染者の殆どが発症し、重症化した。SARSウイルスは主に肺で増殖するので、重症化してから飛沫粒子内のウイルスロード(ウイルスの量)が高くなり、入院の寸前から感染力が高まって、むしろ医療従事者の感染が深刻だった。

新型コロナウイルスがSARSと違うのは、圧倒的に軽症状の人が多い事で、感染者の約80%が軽症者で、内18~23%はまったく無症状だと報告されている。

また、新型コロナが新型インフルエンザ同様パンデミックになった理由は、ウイルスがSARSのように肺ではなく早くから鼻、喉で増殖し、ウイルスロードのかなり高い飛沫を作り出すからだ。そして、発症する1週間前からマイクロ飛沫をただ話すだけでばらまき始める。
それに加え、短時間での著しい人の移動、そしてレジャー、ビジネス等による所謂三密(密閉、密集、密接)の環境を人間はわんさと作り、ウイルスの増殖、感染にベストな環境を知らぬ間に多々作り出していったのだ。船で何か月もかけて移動していた時代には、梅毒や結核などの慢性感染症がアメリカ大陸などにヨーロッパから運ばれていったが、その航海時間が1か月に短縮された19世紀半ばからは、はしかや風邪のウイルスも船で一緒に運ばれるようになり、アメリカンインディアンの3分の1はこれら外来の感染症でバタバタと亡くなった。一方、1日で世界中誰でもどこへでも飛べる現代は、どの病原体も24時間以内に世界中どこにでも行ける様になってしまったのである。
 

診断方法

①最も確実なPCR検査

喉、鼻咽頭部からサンプルを取りウイルスが有れば陽性になる。但し問題はいくつか有る。

  • 特殊技術、特殊機械でウイルスの量を増やしてから検査の結果が出るので特定のラボでしか検査出来ず、判定に最低6時間はかかる。
  • 検査費用が高い。
  • サンプリング法、移動中の温度、時間などにより偽陰性となることがある。
  • サンプリングの際、防御服装着を怠ると医療従事者が汚染する可能性がある。

②抗原(ウイルスの破片)検査キット

喉、鼻咽頭部、唾液のサンプリングが必要だが、結果は30分以内に出るしどこででも検査が出来る。ただしPCRに比べ偽陰性率が16%とやや高めなので、必要に応じて、新型コロナ感染可能性が高い人はPCR での再検査が必要となる。

③抗体検査キット

血液検査で結果は30分以内、どこででも出来るし安い。ただし陽性になるのは1週目の終わりからなので、治療の為の診断用には遅すぎる。
通常、急性時抗体(IgM)は1週目の終わりから陽性になり、1か月後にピークを迎え、2~3か月程で又陰性になる。一方、IgG(永久抗体。免疫メモリーと言われてる)の場合は通常1週目の終わりから陽性になり、数年から一生涯陽性だとされているが、新型コロナがどのようなパターンを示すか未だ確認されていない。そして抗体が陽性だとしても、一生涯新型コロナに対して免疫力が有るかどうかも未だ分かってはいない。早期診断には全く役に立たないが、これからの地域、国、世界規模での実際の既感染者のサベイランス、研究には役にたつ。


これまでマレーシア政府の方針は、クラスター、そしてその濃厚接触者のみにPCR検査を実施するというもの。但し、東マレーシアのみ、移動困難などの問題から優先的に抗原検査キットが送られ、現地では既に使われている。一方、抗体検査キットは数週間前に政府の援助の下に、仕事復帰前の労働者の検査に使用すると一度宣言されたものの、今はPCR検査のみとなっており、それもどこの機関が費用を負担するかはっきりしない状態だ。
 

治療法

未だ新型コロナの為の薬は開発されていないが、いくつもの薬が試されており、レポートされている。
どの疾患に対しての抗ウイルス剤も、ウイルスを殺す事は出来ないが、さらに増殖するのを防ぎ、症状が悪化するのを防いでくれる効果があり、その間に当人の免疫力でウイルス退治がなされ回復するのを待つことになる。インフルエンザに対してのタミフルはそのようにして機能する治療薬である。しかし、HIV に対してのカレトラなどは、増殖を抑え症状悪化は防ぐし、患者当人も抗体も作りだすのだが、この抗体はウイルスを殺すことができず、再発しないためには服薬を一生続けねばならない。治療薬の効果もウイルスによってさまざまだ。

マレーシアでは陽性と診断されると、国籍を問わず、無症状、軽症、重症に関係無く、患者は例外無く全て、指定された公立の病院での入院治療が義務付けられている。治療は軽症だと対症療法のみで、熱、痛みにはパナドール(日本でのアセタミノフェン)(他の鎮痛剤、解熱剤は使わないこと)、そして特殊療法としてヒドロクロロキン、カレトラ、インターフェロン等が使われる。4月からはWHOのプログラムに従い、上記の薬、そしてレムデシビルも臨床トライアルとして加わった。いずれも以前から有る薬で、マラリア、HIV、エボラ、SARSに使われてきた物だ。その他、細菌による2次感染の為の抗生剤、血栓症の疑いが有れば、抗凝固剤などが使用されている。
 

マレーシアの情況と今後の課題

1月末に最初のケースがレポートされてから、ぽつりぽつりと感染報告がされていった。最初は全て輸入ケースとそれの濃厚接触者のみで件数も低かった。3月初までは、海外からの感染者が主だったので、一日当たりの感染者数は30人位と未だ低かったが、3月後半には宗教関係の大集会などでクラスターが発生し、感染者数は急に2,000人にも膨れ上がった。新感染者数が200人前後と言う日が続き、これでマレーシアも終わりかと誰もが思った。
しかし、3月18日からの移動制限令からほぼ2か月が過ぎようとしている今、新しい感染者数はまた二桁に落ち着き、右肩下がりのカーブを描いている。5月12日現在、合計感染者数は6,742人、治療中1,410人、1日当たりの新感染者数16人、死者数合計109人となっている。死亡率1.62%と、幸い医療崩壊に陥らず今に至る。基本再生産数(一人の患者がどれだけの人間を感染させたか)は、3月18日の時点では3.5だったのが、今は0.3に抑えられている。

政府は5月4日から制限ルールをゆるめ始めているが、ハリラヤ(イスラム教の断食明けの祭日)が目の前の今、さらにみんなが自粛を続けるよう、“新常態”(New Normal)の実践をさかんに呼び掛けており、SOPとしてのマスク、手洗い、社会距離の確保等がマレーシア人にも浸透しているように見える。
しかし、今マレーシアで問題になっているのは、この国を様々な形で支えてくれている6百万人の外国人労働者だ。その殆どの人が密集した環境で生活せざるを得ない為、そこがクラスターとなっている。半分以上が不法労働者という事で、管理もいたって困難だ。ここを何とかせねば、また新たなウエーブが来るのも時間の問題で、国をあげての大きな課題だ。なるべく早く抗原検査キット、抗体検査キットが国に許可され、もっと簡単に安く、広範囲で検査が行える様になることが期待される。
しかし乍ら、今の所マレーシアは良い結果を出している。現在のベッド使用率は18%(ピークの時でも33%)で、この状態を続ける事が出来たなら医療崩壊にはならないだろう。但し、このままワクチンが開発されず、これ以降世界の60~70%の人が新型コロナに感染して集団免疫に至るまで、流行があちらこちらで続くのであれば、今私たちはやっと1回目の波を乗り切ろうとしている段階だ。

今回の移動制限令は色んな事を考えさせてくれた。クラスメートが亡くなるというショックも有った。でもその一方で良い事も有った。もっとシンプルに生きていける事に気付かされたり、食べ物が有る事に感謝の気持ちが沸いたりと、新型コロナは私たちの目では見えない小さい体で多くの事を語って、情け容赦なくバッサリ、スッパリと現代社会を変えて行っている。

バラトよしみ医師
ブラジル育ちの日本人医師。1988年にサンパウロ国立大学卒業。1991~92年東北大で研究。2003年マレーシアで医師免許獲得後、クアラルンプール公立総合病院で2011年まで勤務。2012年からはホームドクターとしてクリニックに勤務。


 

今月の写真<テングザル

ボルネオ島だけに分布しているオナガザル科のサルで、天狗のような大きな鼻が特徴。鼻が長いのは雄だけであり、体も雄の方が大きい。雄は縄張りや危険を知らせるために大きな声を出すため、鼻は共鳴器の役目を果たすと考えられている。主として草食性で、マングローブの若葉など木の葉類を食する。 樹上での動きは敏捷で、長い尾でバランスを取って、巧みに枝から枝へと移動するが、泳ぎも巧みで川を泳いで渡ったりすることがある。

写真は、サラワク州の州都クチンから車と船に乗って約1時間半のところにある「バコ国立公園」で撮影。「バコ」とはマレー語で「マングローブ」。公園内では多種多様な動植物を見ることができ、まさに生き物の宝庫である。また、様々なトレッキングコースが巡らされており、温厚で平和主義といわれているテングザルもわりと近くで観察することができる。今回は到着後すぐに遭遇、お気に入りの葉を夢中で食べていた。絶滅危惧種として指定されているが、生息環境が限られており、更なる個体数の減少が心配されている。
(写真提供者:森正哉)

 

お家de誰でもエクササイズ

動画を見ながら体を動かしてみよう♪


5月に入って活動制限令が一部緩和されたとはいえ、しばらく感染対策を重視した規制生活が続くと思われれる。そんな時に実践したい軽い室内運動を当会の「呼吸法&体幹ゆるトレ同好会」NICO先生にご紹介いただいた。

NICO先生からのメッセージ 
お家時間が長くなる事での運動量低下による腰痛防止や気分転換に最適な、誰にでも出来る12分程度のストレッチと簡単エクササイズを動画に収めました。ぜひ毎日の習慣に取り入れてみて下さい♪
(初めてのお家撮影で拙い部分もありますが、どうぞお許し下さいませ )


①00:12~ 首&肩周りほぐし
②01:00~ 肩甲骨&胸周りほぐし
③01:55~ 腰~背中ストレッチ
④02:53~ 体側伸ばし
⑤03:24~ 股関節周りエクササイズ(前・横)
⑥04:30~ 股関節&もも裏エクササイズ(前・横・後ろ)
⑦05:25~ もも裏伸ばし左右&背中強化
⑧06:06~ 股関節周りストレッチ
⑨06:39~ 前屈~ロールアップ
⑩07:05~ ⑦⑧⑨の左右繰り返し
⑪08:45~ 前もも伸ばし左右
⑫09:13~ コアトレ&体側ストレッチ
⑬09:56~ 内もも伸ばし&上体ねじり
⑭10:45~ コアトレ
⑮11:43~ クールダウン

安全に&効果的におこなって頂く為に、最初から通して実践することをお勧めします。

 

パハン州ベントンで発見された日本人墓碑

マレーシア各地にある日本人墓地や墓碑は、日本人の移住の歴史を示す貴重な歴史的遺産であり、先人たちの足跡として在留邦人らによって大切に維持管理されてきた。この度、パハン州のベントンにて新たに5基の日本人墓碑が発見されたという現地の中国語新聞の報道を受け、2019年12月にKL日本人会墓地維持管理委員長の万代顧問と大使館関係者らにより現地視察が行われ、被埋葬者は日本人であり、墓碑はかなり昔、ベントン日本人会が建立したものであることが確認された。新聞では5基と報道されたが、実際には6基の墓碑が見つかっている。

今年1月の理事会では、この6基の墓碑の移送について審議され、KL日本人墓地へ受け入れることが承認されている。但し、これらの墓碑が雑木林の急斜面で見つかったことから、遺骨の発掘はせず、現地で供養を行った上で墓碑のみをKL日本人墓地へ移送することになった。

このベントン日本人墓碑は、これまで、現地中国人墓地 「文冬両廣義山」(Bentong Leng Kwong Yee San Cemetery) が見守ってきたことが判明しており、墓地関係者へは深い謝意が表明された。

ベントンには100年余り前に日本人会が設立され、当時主にゴム園で働いていた日本人20数名が会員として登録されていたようであるが、80年程前にベントン日本人会は解散している。1990年に当会が発行した「クアラルンプール日本人墓地-写真と記録と改修事業-」によると、「KL日本人墓地内に『文冬日本人会無縁塔・昭和十年四月吉祥日建立』と記された墓碑があり、16名が合葬されている。この時全て移葬されたのかもしれない。設立年次、現地の状況は不明」との記述がある。それ以降、ベントンには日本人の足跡を残すものはないと思われていたところ今回の発見となった。 日本人の足跡というと、とかく出稼ぎ女性(カラユキさん)が連想されるが、熱帯の地で肉体労働に励み、故郷に帰れずに土に還った同胞の方々に思いを馳せる機会となれば幸いである。

日本人墓碑所在地への入り口 

獣道をひたすら登る 

コンクリート土台に置かれた日本人墓碑6基 

「文冬日本人會建之」の石碑 

 

今月のローカル食材
<カレーリーフ>

料理講習会講師 ちはる

「カレーリーフ」は、インド料理には欠かせないハーブで 、カレールーの中に葉っぱを見つけた事がある方も多いのではないだろうか。「食べられないと思って取り出していた」という話も聞くが、アーユルヴェーダでは、皮膚疾患、糖尿病、抗酸化作用、高血圧、若白髪まで、期待できる効能が多く食べないのはもったいない。気品ある柑橘系の奥深いところに複雑なアジアが漂う、なんとも魅了される香りだ。 是非、カレーリーフを使った簡単なインド料理からチャレンジしてみよう!

初級編 ☆スパイスオムレツ

  1. 油にマスタードシード入れてパチパチ弾けてきたら、カレーリーフと好みでドライチリを入れて香りを引き出す。
  2. ボールに卵、スライス玉ねぎ、みじん切りニンニク、生姜、細かく切った青チリ(ピーマン等に変えてもOK)、チリ粉、ガラムマサラ、クミンパウダー、黒胡椒、塩を入れてよく混ぜ、1.も加えてフライパンで焼く。

 

 

 

初級編2 ☆キャベツ炒め
ウコンパウダーの黄色が美しい一品。バナナリーフレストランで出てくるお馴染みの副菜。

  1. 油にマスタードシードを入れパチパチ弾けてきたら、クミンシードを入れ炒める。
  2. 匂いが出たら、カレーリーフとスライス玉ねぎ、みじん切りニンニク、お好みで赤チリを加え炒める。
  3. 粗めの千切りにしたキャベツと人参を入れ、チリ粉、ウコンパウダーを入れて混ぜる。
  4. 少し水を入れて蓋をし、数分ほど蒸し煮にする。
  5. 塩で味を整える。

 

 

 

上級編 ☆カレーリーフペースト
日本で言うと福神漬けのような位置づけか。カレーに混ぜて食べたり、チャパティやご飯に添えてこれだけでもいける。作り方は難しくはないが、日本人には馴染みのない材料を細々と揃えなければいけないので写真だけの紹介にする。簡単に言うと炒めてペーストにしているだけだ。カレーリーフの芳醇な香りが一番味わえる食べ方だと思う。

 

 

 

番外編 ☆カレーリーフの実
実は熟してくると真っ黒の粒に。これがまた最高に美味しい。そのまま食べると(種に注意)カレーリーフの香りがギュッと濃縮されていて、1粒食べただけで香りが10分ほど続く。庭がなくとも大きめの植木鉢で陽があたれば良く育つ。苗は園芸店でも売られている。
最後の写真は盛り付け例。お家でレストラン気分♪

 

 

 


 

今月の漢方
<病は『気』から>

国際中医薬膳師/中医実習生 坪井良和

「病は『気』から」どんなイメージをお持ちだろうか?
心配ばかりしていると不健康になる?
心の持ちようで病気は軽くも重くもなる?
実はこの言葉、もともとは中医学の古典から出てきた言葉「百病は気より生ず」。
東洋医学の基本、陰と陽。陰は体を作っている物質、陽はその物質を形作ったり動かしたりするエネルギーだと想像してもらいたい。つまり、人間の活動を支えるエネルギーが「気」であり、体の内では各器官の動きをコントロールし、体の外ではまるでバリヤーのように外敵から身を守っているのである。

その「気」がどこかで詰まってしまったらどうなるだろうか? 下がるべきものが下がらないと吐き気や胸のむかつきになったり、上がるべきものが上がらないと倦怠感やむくみ、血行の悪さが生じたり。だからいつも気の流れをスムーズにしておくことが大事。
部屋の風通しを良くするにはどうするだろうか? 風の通り道になるように窓やドアを開ける、そしてその通り道に余分なものを置かない。つまり体内と体外の接点である毛穴や耳、目などの出入口は清潔に保ち、体内の水分や血液もサラサラに保つのを心掛けよう。
さらに圧力。適度な圧力は気の流れを集中させたりコントロールしたりして物質を効率的に動かすことができるけれど、過度な圧力、つまりストレスがかかりつづけると、気の巡りは悪くなるか止まってしまい、流れが止まったところはよどんで詰まってしまう。ストレスをいかに生かすか、またはうまく発散するか、で体の機能はよくもなるし、悪くもなるのである。

この冬から春にかけて「免疫力」が大きな関心事になった。中医学で考える「免疫力」とはまさにこの「気」がきちんと役割を果たしていることを指す。
「正気存内、邪気不可干」(健康な気を擁していれば、邪気は入ってこられない)
体内の循環が調い、外のバリアを正常に維持できていれば、健康は保たれる。それが「病は気から」の意味だと私は考えている。
ちょっと行き詰まってきたなぁと思ったら、まず体を動かしてみる。二三歩あるいてみるのもいいし、足踏みだけでもいい。実はその場でちょっと飛び跳ねてみるのも効果的。「気」が動くと気分も変わって新しい考えも浮かんでくるものである。


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