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デジタル版
JCKLニュースレター

タイムリー且つ皆様のお役に立つ情報発信を心掛け、毎月初旬にお届けいたします。
 

 

マレーシア国内でも2月に入ってからオミクロン株が広がりを見せているが、ワクチン接種の進展などにより殆どの新規感染者が無症状・軽症で済んでいるようで、重症化率の低下なども報道されている。しかしながら、新しい派生株や後遺症など不安要素は依然として残り、引き続き感染対策と予防に努めていきたい。

感染の有無をこまめにセルフチェックするには、薬局などで手に入る迅速抗原検査キット (RTK-Ag) が便利であるが、セルフ検査に際しての注意点等を当会会員向け健康相談室でお馴染みの よしみ医師 に教えていただいたので紹介する。
 

Q1. セルフ式の検査キットを使うタイミングは?
  1. 普段は会わない友達、一緒に住んでいない家族に会うその当日。
  2. 仕事上、不特定多数の人に常に会う人は1週間に一度は検査したい。
  3. 時間としては朝一番にサンプリングするのがベスト。
  4. 1と2は無症状であっても行う。
  5. 症状のある人には、現在政府はセルフ検査を行うよう指導している。症状が出たらすぐに。でも個人的にはやはりPCR検査をお勧めする。
     
Q2. 唾液、鼻腔粘膜の採取の注意点は?
  1. 唾液採取は、採取する前の最低10分、可能であれば30分程は歯磨きやうがい、飲食を行わないことが重要。鼻の奥の粘液を鼻から強く息を3~5回吸い込み、飲み込まずにおく。更に咳払いを3~5回して飲み込まずにおく。唾液が口に溜まったら、舌で口の奥の方まで3~5回転がす。口に十分に唾液が溜まったら検査容器に吐き出す。
  2. 鼻腔粘膜のぬぐい液は、付属の綿棒を鼻腔から耳孔を結ぶ平面を想定してゆっくり挿入し、コトンと行き止まる鼻腔の奥まで綿棒が達したら、綿棒をゆっくり5回転させて粘液をこすり取る。
     
Q3. 検査キットの精度は?

キットの精度は感度、特異度共に良いキットが偽陰性、偽陽性の結果を避けることができる。現在マレーシアで許可され販売されているキットは120種類以上あり、その殆どは中国製だが他に韓国製、シンガポール製、アメリカ製などもある。どれも感度も特異度も良いと書かれているが、実際には偽陰性が多いというのが私の印象であり、症状のある時はやはりPCR検査をお勧めする。
 

Q4. 他者への感染リスクがある期間は?

他者への感染リスクは大体症状の始まる3日~5日前 (以前から言われている潜伏期間を考えると最長14日間) 位から症状のある間。特に熱、倦怠感等の症状のある間は感染させるリスクが高い。
ワクチン接種を完了した人の免疫組織は、ウイルスが体内に入ると即退治作業を始めるので、感染しても体内のウイルス量は多くはならない。また、その分他者を感染させる率も低くなるし、感染させる期間も短くなる。 (但しその変異株の特性にも左右される) 

 

 

 

 

Q5.検査キットで陽性と出たらPCR検査を受けなくてはいけないか?

3月現在、検査キットで陽性と出た場合にはPCR検査をする必要はなく、MySejahteraから自己報告を行う。アプリのCovid-19 Self Report 項目に入り、それに従い報告をする。
カテゴリー1および2A (無症状または軽度の症状) の場合はCovid-19 Assessment Centre (CAC) に行く必要はない。ただしカテゴリー2B以上、60歳以上の高齢者、併存症のある人、妊婦、ワクチン未接種者/未完了者など高リスクグループはCACに行く必要がある。

その後、ワクチン接種完了者は7日間の自宅隔離、未接種者/未完了者は10日間自宅隔離を行う。どちらも毎日2回、MySejahteraから健康状態を報告する。症状が悪化するようなら (熱が3日以上続く、一旦下がった熱がぶり返す、嘔吐、下痢、脱水、息切れ、めまい等) 即最寄りの私立総合病院に連絡を取り受診する。救急車が必要であれば受診したい病院の救急車を呼ぶ。

 濃厚接触者となってしまったら…

3月1日からの政府方針では、ブースター接種を受けた人については無症状であれば自宅隔離は必要なく、普段通りにお仕事、お買い物などもしてよいが、1日目と3日目のセルフ式検査が陰性であること。ただこれが感染拡大を加速させるリスクがあるので、感染をくい止める為にはやはり以前通り自宅隔離もPCR検査もする必要がある。
一方、もうノーマル化していく方が良いと考えるのであれば、今のオミクロン株にはみんなでどんどん感染して、みんなが免疫力を付けることで集団免疫 (Herd immunity) を獲得してパンデミック前の生活に戻していく。実はそれが一番良いのではと今私は思っている。

  • ブースター接種者
    無症状:隔離無し、セルフ検査1日目と3日目
    有症状:5日間自宅隔離、セルフ検査5日目
  • ワクチン接種完了者
    無症状でも有症状でも5日間自宅隔離、セルフ検査5日目
  • ワクチン未接種者/未完了者
    無症状でも有症状でも7日間自宅隔離、セルフ検査7日目

感染時の対処法は保健省ウェブサイトから最新情報の確認を!
検査キットで陽性となった場合の対応や濃厚接触者となった場合の手順など、最新情報を確認しよう。
https://covidprotocol.moh.gov.my/en/ (英語)

検査キットに関する参考情報 (大使館ページ) 
https://www.my.emb-japan.go.jp/itpr_ja/newinfo_27072021A.html


マレーシアの医療事情


日本と遜色ないマレーシアの医療レベル
クアラルンプールとその近郊の主な病院は、診療レベルや設備面で日本の病院と比べて引けを取らず、邦人が診療を受けるのに特に問題はないと思われる。しかし、日本と大きく異なる点もあるので注意が必要だ。


①国公立病院・私立病院
<国公立病院 General Hospital等>
診療費は比較的安いが、医師の数、技術、入院施設等の一般的体制の充実度が日本に比べて低いため、日本人にはあまりお勧め出来ない。
<私立病院 Private Hospital>
国公立病院のように終日混雑しているわけでもなく、設備も新しく清潔だが、治療費はかなり高額。
健康に自信がある人でも、日本を出国する前に海外旅行傷害保険などに加入しておきたい。

私立病院での入院費用の目安
デング熱:RM8,000~(5日間程度の入院)
出産入院:帝王切開RM16,000程度 普通分娩RM10,000程度

  • 保険加入者は保険証書を提出する
  • 勤務先からの支払保証書またはクレジットカードの提示を求められる
  • 手術/高度な検査機器には相応の保証金を請求される
    (払わない限り一切処置してもらえない)
  • 入院時にデポジットが必要 RM5,000~
    手術を含む入院の場合は見積額の8割程度~全額
  • 部屋代:個室RM260/日 ニ人部屋RM180/日 四人部屋RM120/日
  • その他費用:回診費、手術代、検査代、投薬費など
    (夜間・土日祝日は割増料金が発生)

日頃の備え
常用薬や病歴、手術歴、薬アレルギーの有無などを英文で準備しておくこと。
利用したい病院を決めておき、事前に病院見学しておくとよい。

②一般医と専門医
日本と異なる一般医制
一般医 (General Practitioner) と呼ばれる医師が、総合病院やクリニックにおいてプライマリケアを担当する。病院の急患窓口で診ている医師も、街の小さな診療所で診ている医師も一般医である。ファミリードクターともよばれ、健康上の相談を幅広く受ける家庭医でもある。
専門医 (Specialist Doctor) 
初診を担当した一般医によって専門性が必要だと判断された場合、専門医が紹介される。
特筆すべきは、私立病院では専門医が個々に病院側と契約し、病院内に個人のクリニックを開業している点だ。そして同じ診療科目でも複数のクリニックが入っているため、どのクリニックに掛かるかは患者自身が選ばなければならない。ネットで評判を確認したり、病院所属の日本語通訳者に相談するという手もある。
もちろん後から医師を替えることはできるし、セカンドオピニオンを求めることも当地では一般的であり、躊躇する必要はない。

処方薬
医薬分業が実施されていないため、院内の薬局で薬を受け取る。

③救急車
<救急搬送は日本とは全く異なる>
緊急番号999に電話すると例外なく国公立病院に運ばれるが、国公立病院ではマレー語しか通じないため注意が必要だ。また患者数が多く混雑が激しいため、救急で運ばれてもすぐに診てもらえないと思ったほうが良い。

私立病院の救急車、または民間の救急車を利用しよう!
(有料) 

救急車利用上の注意点
  • 希望の搬送先病院を決めておき、連絡先は普段から目の届く場所に置いておく
  • 救急車を所有していない私立病院に行きたい場合は、民間の救急車を呼んで希望搬送先を伝える
  • 料金は昼間RM400-500程度 休日/夜間 RM500-600程度(料金は病院、距離による)
  • 電話で自分の住所・電話番号・具体的な症状を英語で伝える
  • 電話を掛ける人が動転するため、持病/常用薬/薬アレルギー有無などを英語で控えておく
  • タクシーを利用する手もあるが通勤時間帯の渋滞に注意

民間救急車
First Ambulance 
 Tel 03-7785-1919/1300-881919
Lifeline Ambulance
 Tel 03-7956-9999


 


KL近郊の日本語が通じる私立病院&クリニックの紹介

  私立病院/クリニック (PCR検査に関する情報も掲載中)
 

  歯科クリニック

 


 
 

今月の写真
<ドラゴンフルーツ>

 


ドラゴンフルーツはサボテン科に属する多年草の果実である。正式英名はピタヤというが、果実の表面が龍の鱗に似ていることからドラゴンフルーツとも呼ばれている。

枝は自立しないので支柱を必要とし、それぞれの枝が下垂するように紐などで誘引して傘状に立て結実させる。花は月下美人のように白く華やかな大輪で、夜開性のため朝になると萎んでしまう一日花。不思議なことに満月の夜に開花することが多いそうだ。

スーパーフードとして注目されるドラゴンフルーツは、ビタミン類、カリウム、葉酸、マグネシウムなどが含まれるのでたっぷりと摂りたいところだが、食べ過ぎると下痢や腹痛を起こすことがある。その原因として食物繊維が多いこと、体を冷やす働きがあるので胃腸機能が低下することなどが考えられる。果肉には白と赤があり、味は白のほうが淡白で赤のほうが甘味があるのだが、この赤にはポリフェノールが含まれ、食べ過ぎると尿や便がピンク色になって驚くこともある。果肉の色素によるものなので心配はないとされるが、適量をオーバーしているというサインかもしれない。

果肉の白赤の見分け方は、白はやや細長い形状で鱗状の緑色のひだが目立つのに対し、赤は全体的に丸みがあって表皮もピンク色が強い。迷ったらお店の人に聞いてみよう。 (写真は赤い果肉) 

 

 


婦人部かとれあ会


【かとれあ会名誉会長 髙橋大使令夫人のご挨拶】
 


昨年11月25日にマレーシアに着任し、かとれあ会名誉会長を拝命いたしました髙橋真美でございます。

マレーシアには20年ほど前に夫と観光で訪れたことがありますが、近代的な都市と熱帯雨林がもたらす豊かな大自然、多様な文化や民族など、多くの魅力を持つマレーシアに住み、皆様とご一緒出来ます事を喜んでおります。

未だ新型コロナウィルス感染症の流行も収まっておらず、かとれあ会の活動も色々と制限される事も多々有るかと存じますが「笑顔で、明るく、楽しく」ご一緒していければと思っております。どうぞ宜しくお願いいたします。


【かとれあ会活動報告】

 ♦2022年度バザーサポーターオリエンテーション

2022年度のバザーサポーターとして、この度10名の方が立候補してくださいました。新しいメンバーへのオリエンテーションを開催し、主な仕事内容の説明や2021年度のチャリティバザーの様子をスライドにまとめ、反省点や改善点などをお伝えしました。
今回は、チャリティバザーではお馴染みのバティックフラワーを制作するワークショップも行い、皆さん短時間で素敵なバティックフラワーを完成されました。早くも次年度のチャリティバザーに向け始動しております!


 

 

 

 

 ♦第2回福祉施設ボランティアグループ連絡係連絡会

ブキナナス身障者施設ボランティアとPJスパスティックセンター (音楽セラピー、手芸部) の各連絡係の方々より今年度の活動報告とふりかえりをご報告いただきました。
今年度もコロナ禍により施設訪問でのボランティア活動は叶いませんでしたが、できる限りのボランティアを工夫して行ってくださいました。ボランティア活動に携わってくださった皆様への感謝の気持ちを込め、かとれあ会より感謝状をお渡しいたしました。一年間まことに有難うございました。

 

 

 

 

【かとれあ会役員リレーコラム】

今回のコラムは、会計を担当する城間真智子さんです。城間さんは、MCOの影響で予定よりも遅れての来馬となりましたが、到着して間もなくから精力的にかとれあ会の活動に取り組んでくださいました。いつも温厚で優しいお人柄の城間さんはまるで菩薩様のようです。教員経験がおありとのこと、きっと子供達はもちろんのこと保護者の皆さんにも信頼される先生だったのだろうなと思います。


マレーシアの中の「おきなわ」

城間 真智子 

私は沖縄から夫のマレーシア赴任に伴いマレーシアに参りました。ここでの生活はまだ1年にも満たないのですが、マレーシアで目にするもの体験するもの初めてなのにどこか懐かしい思いをすることがよくあります。
一つ目は植物です。街の植栽、街路樹、森の木々を見ても多くが沖縄でも普段に見られるものばかりで車窓から色とりどりのブーゲンビリアを眺めていると「ここは沖縄?」と錯覚することもあります。
二つ目は食べ物です。「チャンプルー」は沖縄の方言で「混ぜる」という意味があり、屋台で見かけるゴーヤーチャンプル、マレーシアの国民食 Nasi Campur (ナシチャンプル)、同じ料理や同じ言葉に驚きました。また、ドラゴンフルーツやパパイヤ、パッションフルーツ等も馴染みのある沖縄の果物です。
三つ目は人々です。マレー系の方々は少し浅黒で、ぱっちりとした目元、力強い眉毛、もう沖縄人 (ウチナーンチュ) そのものです。街中で沖縄の知人にそっくりなマレー系の人を探すのが私の密かな楽しみです。そんな中、街中で義母 (姑) そっくりな方を見かけたとき、無意識に背筋を伸ばす私がいました。


 

 

 

JICAだより
<日本の農村から理科教材ビデオ送付>

東南アジア教育大臣機構理数教育センター
                       JICAシニア海外協力隊(理科教育)大西寛

♦日本での待機中は地域への貢献活動

 「あんたさんはどういうことで毎日ここに働きにきてはるんや?」と近所のおじさんに尋ねられて、マレーシアで活動していたけれどコロナ感染拡大で日本に戻ることになったこと、今は再派遣を持っている状態であること、待機中には地域に貢献できる活動をすることが推奨されていること、などを説明したのですが分かってもらいにくかったようです。
 集落の農業従事者が減り、近所の田んぼも複数世話をしている友人から「なんぼでもやることあるからな!」と言われ、まぁ地域のへの貢献と言えなくもないなと手伝いに行き始めました。農作業だけでなく、イノシシやシカの害獣駆除のために罠猟も並行してやっていたので、こちらは間違いなく地域への貢献です。この生活が1年9カ月続きました。

♦農作業しながら理科教材ビデオ制作

 日本での待機が半年続いた頃にペナン島の職場の上司から、オンライン用のビデオ制作をしてほしいと依頼が来ました。ここから農作業にこの活動が加わりました。元中学校の理科教員であった友人には、毎日の農作業の手伝いの代価に、この教材づくりに協力してもらいました。(農作業の報酬として野菜や米はそれまでにももらってもいましたが。)
 「質量の精密測定をする時に浮力は影響せんのか?」といきなり質問されたのは、野菜の苗を畑に定植していた時でした。これをテーマに「Factor for measuring Mass」というタイトルのビデオができあがりました。農作業の合間にビデオ撮影をしたこともあり、作業服のまま落体運動の測定をしました。田んぼの中で気温と照度の連続測定も行いました。農作業場だからこそ撮影できたシーンを「Atmospheric pressure」のビデオに入れました。「Foot Bones of Cattle & Horse」のビデオは、編集していた頃にシカが罠にかかったので、そこから骨格標本を作り加えました。

 

害獣駆除の罠にかかったイノシシ(左)  農作業場で撮影した大気圧の実験(右)


♦ホワイトカラーの仕事にブルーカラーを加える

 集落の人は私の農作業ぶりをよく見ていて、「トラクターに乗るのが上手い。」とか「草刈り機の扱いに慣れている。」など噂になっていると友人の奥さんが教えてくれました。「大西さんはマレーシアではホワイトカラーですよ。」と集落の人には説明してくれていたようです。
 ペナン島の職場は理数教育センターで、この中で私はアカデミックスタッフと呼ばれる講師の一人として活動していました。毎日の農作業にへとへとになりながら、友人には「早くアカデミックスタッフに戻りたい…。」とこぼしていました。
 念願かなって1月にペナン島の職場に戻って活動を再開しました。活動の中心は、講義ばかりになりがちな教員研修の内容に、実技指導を組み込んでいくことです。ホワイトカラーばかりになってしまっている理科教員の仕事に、ブルーカラーの活動を取り戻してもらうことが目的です。活動はまだオンラインが主なのですが、その中でも実技研修をやっていくことに試行錯誤が続いています。

♦日本の教育手法が話題に

 1981年にJICA専門家が理数教育センターに最初に派遣されました。それ以来、第三国研修の実施、シニアボランティアの派遣が継続して行われてきています。協力関係が40年になることを記念した式典が1月に行われました。
 日本での研修に参加したことがある職員もいて、教員研修の内容を検討する時に、Bansyo (板書)、Neriage (練り上げ) などの手法が話題になることがあります。4月の教員研修ではJapanese Inquiry-based Science Study (日本の探求理科学習) をテーマにした時間が割り当てられます。日本の教育現場で活動する協力隊仲間に情報提供を求めながら内容を検討しています。理論より具体的な実践をどのようにやっていくかがポイントになりそうです。

 

JICAとのパートナーシップ40周年記念式典 (左)  東南アジア・ヤングサイエンティスト発表会においてオンラインで行われたQ&Aセッション (右)

 

 
今月のローカル食材​
<マレーシアンテイスト 蒸しケーキ>
 


料理講習会講師 ちはる 




ふわふわ優しい食感と素朴な味が魅力の蒸しケーキ。
今回は材料にココナッツミルク、黒砂糖、パンダンの葉のエッセンスを使い、マレーシアならではの味を楽しんでみよう。不思議なことにまるで小さい頃から食べていたような懐かしい風味がする。
そして今回は蒸しモードのある炊飯器を使って更に簡単に。蒸しモードがなければ蒸し器を使っても大丈夫。

 

黒砂糖 (粉タイプ)
Gula Merah マレー語で赤い砂糖
白砂糖よりコクがある

小麦粉
ケーキ用の薄力粉

パンダンエッセンス
スーパーマーケット等で購入可

ココナッツミルク
紙パックタイプでもOKだが風味は落ちる

 
*材料
  • 小麦粉(薄力粉) 100g
  • 黒砂糖 (粉タイプ) 110g
    (白砂糖の場合100g)
  • ベーキングパウダー 10g
  • ココナッツミルク 50cc
  • 酢 40cc
  • 卵 1個
  • 蜂蜜 大さじ1
  • パンダンエッセンス 数滴
*前準備

炊飯器の内釜に
約300ccのお湯を入れておく


蒸すとケーキは膨らむので、蒸し容器はある程度の高さが必要


蒸し容器にクッキングシートを敷く。生地の重みで沈むので、少しはみ出すぐらいに

*作り方

①黒砂糖にココナッツミルクを入れかき混ぜる

ダマが残っていてもOK

②別のボールに卵をよくとき、①の黒砂糖+ココナッツミルクを流し入れよく混ぜる

③酢と蜂蜜を加えてかき混ぜる

④ベーキングパウダーを加え素早く混ぜる。泡が出てくるので20秒程よく混ぜる

⑤小麦粉も入れて混ぜたら、炊飯器にセットした蒸し容器に流し込む

⑥炊飯器の蒸しモードで25分蒸す。竹串で真ん中を刺して生地が付かなければ完成

出来上がりサイズ
直径 17cmx厚さ2.5cm (目安)

 

*このシリーズで紹介して欲しい食材や調味料・スパイス等あれば、事務局までお寄せください。office@jckl.org.my
 
 


今月の漢方
<コーヒーと漢方>

 

国際中医薬膳師/中医実習生 坪井良和


真っ黒もしくは練乳入りで甘い伝統的なコーヒー以外にも、シアトル系カフェや、国産コーヒー豆のおいしいハンドドリップコーヒーも楽しめるようになってきたマレーシア。
お茶が、古くは主に薬用として、東洋医学では広く長く用いられてきたのに対し、コーヒーはまだ歴史が浅く、古典にも記載がない。それでもコーヒー豆の色や味、その加工方法から漢方的に分類すると、コーヒーの性質は温性、気をめぐらし、むくみや体のだるさのもとになるような体の余分な湿気を取り除く効果があるとされている。

コーヒーは暖かいうちに飲み終わる量が適量

コーヒーもお茶と同じようにその焙煎方法によって期待できる効果に違いが生じる。浅煎りで酸味が強い場合は、気をめぐらす効果がより期待され、ストレスによる緊張を和らげたり、頭をすっきりさせたり、頭痛を緩和する効果がある。深入りでは、湿気を取り除く効果が高くなるがその反面、体質によっては動悸や不眠、イライラにつながることもある。

コーヒーを漢方の観点からおいしく健康に楽しむポイントは二つ。
一つ目は、暖かいうちに飲み終わる程度の量を楽しむこと。眠気覚ましにと大きなマグカップで常に手元に常備するのはおすすめしない。停滞した気を巡らせて、気持ちや頭をリフレッシュさせる効果はやはり入れたての温かい飲み物でこそ。冷めたコーヒーではそんな効果も落ちるのに加え、湿を排出するコーヒーの効能によってトイレが近くなり、ひいては体にとって大事な水分 (津液) まで排出されて、目や肌が乾燥しがちになる。そればかりか、津液と同時に気まで発散してしまい、かえって疲れやすくなってしまう。
二つ目は糖分の加え方。糖分の摂りすぎは湿を助長し、むくみや体のだるさの原因となる。疲れたときの甘いコーヒーは至福の一杯だが、できれば甘さは自分で調節したい。砂糖に替えて気を補う効能のあるはちみつを使うのもおすすめだ。
 

薬との併用を避けたいのは緑茶や中国茶と同じで、漢方薬を飲む場合、コーヒーの飲用とはできれば2時間ほど時間を空けたほうがよいとされている。体質改善などで長期的に漢方を服用する場合にも、処方された漢方の成分によっては嗜好飲料を避けたほうがいいものもあるので、ぜひ担当医に相談しよう。

 

 
 

2021年12月洪水被災者への義援金 報告とお礼

KL日本人会会長 岡部養明 

クアラルンプール日本人会は、2021年12月洪水被災者を支援するための義援金募集活動を実施いたしました。

義援金専用の特別口座を開設すると共に、当会会館ロビーに義援金ボックスを設置。当会会員を始め、マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)会員企業、KL日本人学校、マレーシア在住邦人、加えて地元の方々も含めて幅広くご協力の呼びかけを行った結果、多くの皆様から本活動へのご賛同を得ることができました。

皆様よりお預かりしたRM45,835の総額を、2021年12月洪水被災者への義援金として、ご協力頂いた皆様を代表し、3月14日にクアラルンプール日本人会からMalaysian Red Crescent Society (マレーシア赤新月) へ送金いたしましたので、謹んでご報告致します。

皆様のご厚意が被災された方々への支援や生活再建に供され、一日でも早い現地の復旧・復興が実現しますよう祈念いたしますとともに、ご寄付をお寄せいただいた皆様のお心遣いに対し、心より厚く御礼申し上げます。​​​

JSKLの皆様からの義援金をラジャブルック会会長が届けてくださいました。中学部の田原優香さんと小学部の伊藤萌さん(右)、柳井事務局長

佐々木先生(左) 釼﨑先生(右)

 
 

安倍総理特使がKL日本人墓地を訪問


安倍晋三総理特使が3月10日から12日までマレーシアを訪問された。今年は日馬外交関係開設65周年、東方政策40周年の記念の年であり、安倍総理特使はアブドゥラ国王への謁見、イスマイルサブリ首相他マレーシア閣僚との会談、マレーシア国際イスラム大学(IIUM)での東方政策40周年記念講演等、大変お忙しいご予定の中で、まず最初のスケジュールとして3月11日の朝、クアラルンプール日本人墓地を参拝された。お迎えした日本人会側は岡部会長、万代顧問 (日本人墓地維持管理委員長) 、児島副会長 (JACTIM会頭) 、筆者の4名。訪問された側は安倍総理特使、今井内閣官房参与、髙橋大使、宮川元大使、外務省加納南部アジア部長、同川埜南東アジア第二課長の6名。安倍総理特使は慰霊堂の中でのご記帳、仏壇でのご焼香の後、万代顧問からのKL日本人墓地の歴史についてのお話に熱心に耳を傾けられた。KL日本人墓地は2015年の首相時代に奥様の昭恵夫人がお一人で参拝されているが、慰霊堂の中にはその時の記念写真も展示してあり、安倍総理特使はその写真にじっと見入っておられた。その後、慰霊碑への花輪の献花と慰霊堂前での記念の写真撮影を済まされ、次のスケジュールの為に墓地を後にされた。慰霊堂の中には大小4つの仏壇があるが、全ての仏壇にご焼香され、手を合わせておられたことから、先達を偲ばれる優しい心遣いが伺われたご参拝であった。

(事務局長:柳井)

外務省ホームページ:安倍総理特使のマレーシア訪問報告 https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_009305.html 


岡部会長らがお出迎え

仏壇でのご焼香

慰霊碑への花輪の献花


万代顧問から墓地歴史のご説明

慰霊堂前で記念撮影

ご記帳


ご参考:KL日本人墓地開設120周年によせて (JCKLニュースレター 2019年2月号)

 
 

えっ!マレーシア
<公立校 午前と午後の二部制授業>

 

マレーシアの公立初等学校と中等学校 (日本の中学・高校に相当) では、午前組と午後組に分けた二部制の授業が行われている。全学年が午前組という公立校も地方にはあるが、特に都市部では児童生徒数が多く学校が不足しており、時間をずらして同じ教室を使用するため二部制になっている。

二部制では通学、送迎も大変だ。午前の授業は7時20分頃~12時半頃、午後の部は13時頃~18時半頃となるため、午前の部では外がまだ真っ暗な6時頃に家を出る子が多い。スクールバスに一番に乗る子なら5時30分という子もいる。マイカーで送迎する家庭も少なくなく、児童生徒が入れ替わる13時頃には学校周辺で激しい渋滞が発生する。

学年内のクラス分けは、テストの成績順で1クラス40-50人。初等学校でも科目ごとに教える先生が異なることもあり、担任の先生にも把握できないことが多いように見受けられる。一方、児童生徒数を絞った私立校やハーフ・プライベート校では一部制が大半で、教育の質を重視し授業時間数も確保しているといえるだろう。

このdouble-shift schoolingと呼ばれる二部制授業は世界的には珍しくなく、フィリピン、インドネシア、そしてお隣のシンガポールでも一部導入されており、都市部や開発途上国で見られるが、課題は残ったままといえそうだ。

スクールバスに乗り込む子供たち
ラマダン期間 (2022年は4月3日頃~) は中華系公立初等学校等でも授業が短縮され、17時30頃に下校となる。マレー系の先生や中国語を習得したいマレー系児童も少数ながら在籍するからだ (Bernama-pic)  

 
JCKLニュースレター
【編集委員】
  • 柳井教男(編集長)
  • 川村延義(副編集長)
  • 熊谷敦子(副編集長)
  • 水田加代子(編集委員)
  • 森真由美(編集委員)
  • 矢内理砂子(編集委員)
  • 安松英子(かとれあ会)
  • 井谷百合子(かとれあ会)

*掲載の内容は変更が生じる場合があります。
ご意見やご感想は事務局ニュースレター担当までお願いします。

office@jckl.org.my