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デジタル版
JCKLニュースレター

タイムリー且つ皆様のお役に立つ情報発信を心掛け、毎月初旬にお届けいたします。
 

KL日本人会には現在66の部・同好会があり、会員相互の親睦と日馬交流、友好親善を深めるという当会の目的に沿って活動しています。他国の日本人会と比較しても圧倒的な数を誇り、ジャンルも多岐に及び、スポーツや趣味など、新しいことに挑戦しやすい環境にあるといえるでしょう。今月号ではすべてのスポーツ活動を、来月号では文化活動を紹介していきますので、興味のある活動を探し見学から始めてみませんか。平日の夜や土日に活動する部・同好会もありますので、会社勤めの方もぜひご参加ください。
なお、各活動は自治的に行われており、活動の詳細や見学の申し込みなどについては、各代表者まで直接お問い合わせをお願いします。
(本特集に掲載の情報は2024年4月時点のものであり、それ以降の情報更新は各部・同好会名のリンク先にて更新を行うものとします)

 

スポーツ活動   *部・同好会の名称に各ページへのリンクあり

 
合気道は護身術です。攻撃技ではありません。楽しい稽古を続けております。
火曜・木曜 : 夜クラス、日曜 : 午前中
多目的ルーム、第2ホール
山田 012-227-7012

 
空手は、世界愛好者数1億3000万人以上。初心者から有段者まで、心と体を楽しく一緒に鍛えましょう。
日曜 15:15-18:30 第2ホール
竹澤 012-278-2355  小泉 012-563-3978

 
男の子も女の子も毎週楽しく練習しています♫  体験レッスン受付中です(6歳以上)
土曜 12:30-16:00 第2ホール
稲垣 junkoinagaki1010@gmail.com
富士原 omiyachi@hotmail.com
 
交剣知愛の精神のもと、充実した指導陣による稽古と日本剣道形の修練、公式戦への出場や昇級昇段を目指すこともできます。武道を通して心身を鍛え、いい汗をかきませんか。ご連絡お待ちしております。
水・木(高段)19:00-21:00・土15:30-17:00(初心),17:00-20:00・日17:00-19:00 場所 : ホール
前田 012-392-2325  筒井 019-331-1601

 
呼吸法&体幹ゆるトレ同好会です♪   毎週コアトレやストレッチ、呼吸法等を汗をかきかき皆で頑張っています。持久力のある若々しく元気な身体作りにあなたも参加してみませんか?
木曜 14:00-15:30  第2ホール
012-702-1925 (NICO)

 
日本古来の武道である居合道を主に修錬しています。全剣連制定居合を中心に稽古をしています。まずは見学においでください。
金曜  19:00-21:00、日曜  13:30-16:30
活動場所 : ホール
松川 011-2865-5355
少林寺拳法は、日本で生まれた伝統武道で流派はありません。世界中のどの道場でも同じカリキュラムを使用して修練をしています。マレーシア生活のルーティンに、少林寺拳法への練習参加を加えてみませんか。
日曜: ホール (一部)10:00-12:00 (二部)12:00-13:00、木曜: 第2ホール 20:30-22:00
細江 019-228-0061 kyohei.gyo@gmail.com

 
中国発祥の武術、太極拳。ゆっくりと動いて健康な心と体を作ります。老若男女どなたでもできますので、気軽にお越しください!
メンバー募集中!
月曜 10:00-12:00  第2ホール
竹内:017-296-8410 (WhatsApp)
重倉:010-906-4686 (WhatsApp)

 
JCKL にて卓球を始めたビギナーが大半です。子供と高齢者が一緒に楽しめる稀有なスポーツ卓球を、冷房のある第1ホールで一緒に楽しみましょう。
水曜・金曜 : 午前中、月曜 : 夜
井上 017-669-1773  中村 010-297-3196

 
リニューアルした超初心者の為のダンスサークルです。サルサ、社交ダンス、ディスコ…etc,いろんなステップができるようになります。パーティやクルーズも参加が楽しみに。一度の人生シャインshineタイムをエンジョイしましょう!
木曜 10:15-11:30  ホール
keiko1129n@gmail.com  014-230-6715

 
初心者 (未経験者不可) から上級者まで、週末に市内のコートで活動しております。まずは見学にお越しください!
土曜 : 主に午後、日曜 : 主に午前
中村 012-298-0347

 
年齢性別、バスケット経験問わず、楽しく活動しています。土曜日16:00-18:00は大人メイン、日曜日14:00-16:00が子供/初心者メインです。まずは体験入部お待ちしています! 
活動場所 : Cobra等
入江  watamal2021@gmail.com
石井  manabu.ishii8195@gmail.com

 
軽やかな音楽に合わせて1時間のストレッチ。楽しくいい汗かいて心も体もリフレッシュ! 皆さんの参加をお待ちしてます!!
水曜 14:15~   第2ホール
頼金  kumiey@aol.com

 
5歳~15歳までの少年少女達が4つの年齢カテゴリー ( Under 8/10/12/15 ) に分かれ、楽しくそして一生懸命に白球を追いかけています。初心者大歓迎!まずは見学や体験にお越しください!
活動場所: KL日本人学校グラウンド
日曜 8:00-11:00
harimau.baseballclub@gmail.com

 
子供から大人まで、みんなでボールを打って追って拾って笑ってと楽しくやってます! 
ときに練習試合や対外試合もやったり、懇親会も大盛り上がり。是非、見学・体験しにきてみて下さい! 経験者大歓迎!
日曜 10:30~   主に日本人学校東体育館
手嶋 012-205-4146  川崎 012-258-7204

 
膝裏や関節の痛みを癒すヨガのひと時。心和み背丈伸びる実を体感いただけます。まずはお問い合わせ下さい。
木曜 11:00開始 12:00終了  多目的ルーム
喜美子 012-231-9723

 
KL近郊グランドで経験者から未経験者まで幅広いメンバーでラグビーを楽しんでいます!
まずは見学からどうぞ!
KL近郊グランド  日曜 9:00-11:00
KLJRFC HARIMAU Facebook
ランニングクラブ。グループ練習会や近隣レース参加。仲間と一緒に汗を流すと楽しいですよ。老若男女参加歓迎。
週末早朝、市内の各地公園にて
日置 michael.hioki@gmail.com
仲間たちと吹矢による腹式呼吸で楽しみながら健康づくりを実践しませんか。
水曜 11:00-14:00  第2ホール
清水 017-678-6671  小松 017-875-3207
倉林 011-1649-7702

 

そのほかのスポーツ同好会

 
 アスタカジャパンFC  活動は不定期

 

 

●見学/活動に参加される場合

  • 当会会員であることが条件です。日本人以外の賛助会員も参加が可能です。
  • 部・同好会の代表者に連絡して見学/参加希望であることをお伝えいただき、詳細をご確認ください。
  • お子様が参加される場合は「家族会員の登録」が必要です。
    会員ページにログインし、「会員情報」から家族会員追加の手続きをお願いします。

●部・同好会の会館施設使用ルールとお願い

 部・同好会の活動にあたっては、理事会で定められたルールの遵守をお願いします。
 こちらをご覧ください。
 


 


 

今月の写真
<クアラ・カンサーのイスタナ・クナンガン>


今月の写真はペラ州の王都クアラ・カンサーにある、まるで寄木細工のような「イスタナ・クナンガン」と呼ばれる建築物。木造で大きくはないが、現在のスルタンが住む王宮「イスタナ・イスカンダリア」が建設されるまでの1931~33年の間、第30代スルタンが一時的に住んだという宮殿である。修復されて1986年から王立博物館として開館し、現在はクアラ・カンサーを代表する観光名所のひとつとなっている。

高床式で風通しのよい伝統的なマレー様式で建てられていて、現在は保存のため部分的に金属で補強されているが、もともとは釘が1本も使われていないのだという。ペラ州の国旗は白・黄色・黒の三色ストライプだが、この建物も三色を基調とし、竹で編まれた菱形文様の壁や、植物文様の透かし彫りなど、細部まで凝った装飾が施されている。建物は上から見降ろすと鞘に納めた剣の形になっているのだそうだ。見学当日、残念ながら建物内部には収蔵品の展示がなかったが、建物の美しい姿が価値ある思い出となった。

 

 


婦人部かとれあ会

2023年度 ドネーション贈呈式開催


 
 

3月8日 (金) 日本人会会館にて、KL日本人会、KL日本人会慈善基金及びかとれあ会の主催による2023年度ドネーション贈呈式が行われました。

 

髙橋大使夫人よりご挨拶

かとれあ会名誉会長である髙橋大使夫人ご臨席のもと、昨年11月に開催された第51回日本人会チャリティバザーやかとれあミニバザーでの収益金と寄付金RM 97,500をマレーシア国内12箇所の福祉施設及び団体に寄付いたしました。寄贈先の内訳は、障がい者及び同自立施設、貧困家庭の子女及び貧困高齢者施設、人道支援・救済施設、透析センター等です。 
贈呈式では、白石KL日本人会会長 (当時)、Dato Rahim KL日本人会慈善基金会長、中林第51回チャリティバザー実行委員長、及び髙橋大使夫人より各福祉施設代表者へ寄付金が手渡されました。また、The Pure Life Societyの子ども達による民族舞踊のパフォーマンスがあり、笑顔が印象的でした。ドネーションが、様々な困難にある方々を支援する施設で活かされ、さらなる日馬友好に繋がることを願っています。

白石KL日本人会会長 (当時) から寄付金の贈呈

Dato Rahim KL日本人会慈善基金会長から寄付金贈呈

中林バザー実行委員長から寄付金の贈呈

かとれあ会名誉会長 髙橋大使夫人から寄付金の贈呈

 

The Pure Life Societyの子ども達による民族舞踊

笑顔のパフォーマンス

 

【2023年度寄付先福祉施設・団体一覧】

 
  • Asrama Cahaya Rumah Wanita Cacat
  • Good Samaritan Home
  • Montfort Boys Town
  • Pusat Jagaan Persatuan Komuniti Istimewa Ampang, Selangor
    (formerly known as Persatuan Kanak-Kanak Istimewa Ampang, Selangor)
  • Persatuan Kebajikan Than Hsiang Mitra Malaysia
  • Persatuan Rumah Kanak-Kanak Ini Disayangi (Rumah KIDs)
  • POBP Dayspring Selangor
  • Spastic Children's Association of Selangor & Federal Territory
  • Yayasan St. John Ambulans Malaysia- Kawasan Pantai Selangor
  • The Pure Life Society
  • United Voice
  • Yayasan Kebajikan SSL Haemodialysis

 

 

 

 

マレーシアを代表する企業のひとつプロトンは、マレーシア政府による国民車プロジェクトとして始まり、国の経済発展を先導し地元の自動車産業の基礎を築くことを目的として1985年に設立されました。

マレーシアが英国から独立した1957年頃の当地の産業構造を見てみると、ゴムや錫の一次産品に集中したものでしたが、独立を機に、フェーズを踏んだ堅実な工業化政策が次々と打ち出され、1978年に通商産業大臣・1981年に首相に就いたマハティール氏は、産車構想のもと、裾野産業が多い自動車産業で重工業化を目指します。当時の東南アジア圏で国産車が誕生したことは非常に画期的なことで、マレーシア人は口々に「マレーシアには国民車があるんだ!」とお国自慢をしたものです。
それから40年。販売低迷期や筆頭株主の変遷など、紆余曲折を経て現在に至りますが、2019年から現在まで、国内の自動車シェア2位の座を維持しています。縁あってこの地に住む私たちも、マレーシアの工業化に大きく寄与したプロトンについて、少しばかり知っておきたいと思います。https://www.proton.com/
 

  プロトンってどんな会社?  


2023年 マレーシア国内の自動車メーカー販売順位
 (年間総販売台数は約80万台)

  • 1位 プロドゥア* 41.3%
  • 2位 プロトン    18.9%
  • 3位 トヨタ         13.3%
  • 4位 ホンダ         10.0%

*ダイハツ工業が出資する第二国産車メーカー

プロトンの世界シェア
1980年代後半から輸出拡大に力を入れ、特にイギリスやシンガポールでは早くから低価格を武器に成功を収めた。現在は25か国で販売されている。


◆PROTONの名称の由来は?
マレー語 Perusahaan Otomobil Nasional (国民自動車会社) の略

◆ロゴは?
歴代6つのロゴがあるが、ロゴ変更によって新しい時代の始まりを示してきた

三日月と星は国旗デザインから採用

国獣である「マレー虎」をイメージ

Geelyの参入に伴う新時代を表現
 

◆プロトンのグローバルネットワーク (丸印がプロトン社との取引国)

 

 
 

英国
1989年~2016年の間に141,209台を販売

ブルネイ
2023年に輸出が始まったXシリーズが好評で、特にX50は同国で最も売れている車

日本
コンパクトスポーツカーのSatria Neoを2006年~2018年まで販売

 

  PROTON CENTRE OF EXCELLENCE   


ケサスハイウェイから見える色とりどりの垂れ幕が目印


◆ギャラリーとショールームが併設されたプロトンセンター

住所:Taman Perindustrian UEP, Subang Jaya, Selangor
(Google Map / Waze「PROTON CENTRE OF EXCELLENCE」で検索)
駐車場:ショールーム前のFゾーン

ギャラリー
月~金 (祝日を除く) 9:00~17:00
展示品は、旧型車、社史紹介パネル、最新ターボエンジンなど。
3Dドライブ視覚体験、プロトングッズ販売、カフェ等あり。
ショールーム
月~金 8:00~17:15 土 8:00~12:30 (日曜・祝日休業)

国産車第一号サガ(SAGA 初代モデル)
1985年に生産を開始し、モデルチェンジしながら引き継がれる38年のロングセラー。当時のバンパーはメタル素材、エンジンは1993年まで三菱製を使用

北極地点に降り立ったウィラ(WIRA)
1998年、マイナス41℃の環境下でエンジンをスタートできることを証明した車両で、ロシアのナンバープレートが付いている

セパンF1サーキットで活躍したワジャ(WAJA) GPモデル
マレーシアの国営石油会社PETRONASのイメージカラーである緑色のラインを配し、メディック車両として活躍(2000年11月)

コンパクトスポーツカー サトリアネオ(Satria Neo)
2006年6月~2018年まで、日本で販売されていた唯一のプロトン車

「S70」は31番目に発売されたプロトン最新車
2023年12月に発売されたセダン「S70」はトレンドを押さえたデザインが評判で、高級感あるグリーン(写真)など7色が揃う

Geely のターボエンジン展示
Xシリーズ&S70に搭載のエンジンで、アームパネルを動かせば各パーツの構造が見られる(ほかの車種はプロトンがロータスと共同開発したCamProエンジンを使用)

◆ショールームで新モデルを見よう!

試乗するには・・・
パスポート、運転免許証を持参しショールームの受付で申し込む。PROTONウエブサイトからは、ほかのショールームでの試乗予約が可能。https://www.proton.com/en/purchase/test-drive-new

 

  Q & A セッション  

 

Q1.  プロトンを成功に導いたエピソードをお聞かせください

プロトンは三菱自動車と提携し、1985年7月にマレーシア初の国民車「サガ」を生産したことから始まりました。
2017年6月、親会社のDRB-HICOM (マレーシア重工業公社を前身とする複合企業) がZhejiang Geely Holding Group Co, Ltd (浙江吉利控股集団) と戦略的パートナーシップを締結したことにより、プロトンに製品、システム、プロセスの面で新しく先進的なテクノロジーが導入されました。
これによってプロトンは持続可能な収益性を達成し、マレーシア市場でリーダーの地位を取り戻し、加えてASEANでトップ3のブランドになるという目標を掲げて、再生計画と長期的な変革プログラムを追求しています。
また、現在はGeelyの強みを生かして、技術とコストの面で、より競争力のある自動車を生産しています。さらに、グループロードマップに合わせて新車種の戦略的導入を進めており、技術トレンドに沿って消費者のニーズを満たすことを重要視しています。

国民車第一号SAGAのお披露目とマハティール首相(左から二人目) 1985年

Q2.  2017年にGeelyが主要株主になってから、どのような改革が行われたのでしょうか?

戦略的コラボレーション
プロトンはGeelyから多額の投資を受け、一連の変革と改革を経験しました。Geelyとのパートナーシップは極めて重要であり、最先端のテクノロジー、プラットフォーム、専門知識を得ることができ、当社の成長と成功に大きく貢献しました。
持続可能な新エネルギー車 (NEV) の開発
2023年に最初のEVモデルである「スマート#1」を発表し、持続可能なモビリティへの当社の取り組みを示しました。さらに、48V マイルドハイブリッドシステムを搭載した X90は、燃費の向上と環境への影響の削減に対する当社の取り組みを体現しています。
品質への絶え間ない追求
Geelyグループの測定 GCPA*スコアが大幅に改善しています。2018年の減点点数は6,388点でしたが、現在はわずか628点に減少し、お客様が信頼できる高品質車両をお届けするという当社のたゆまぬ追求を示しています。
*GCPA=Global Customer Product Audit (世界基準での製品顧客評価指数)
運用の強化
施設内の効率的な製造慣行と高度なテクノロジーを活用し、生産と配送を合理化するためのプロセスを最適化しました。
国際的な市場拡大
プロトンは車両の輸出を増やすだけでなく、特定の市場での現地組立にも取り組んでいます。これによって優遇税制を獲得するだけでなく、これらの地域の自動車産業の成長の促進にも寄与しています。このように、世界的な自動車業者としてのプロトンの地位を確固たるものとしたことを誇りに思っています。

DRB-HICOMとGeelyのパートナーシップ締結 (2017年)

Q3.  2023年はプロトン創立40周年でした。印象に残った出来事をお聞かせください。

2023年5月7日、KLで創立40周年を祝う盛大な式典を開催しました。
このイベントでは、我々の新エネルギー車 (NEV) 市場への参入を象徴するプロトン X90の発表が行われました。マレーシアのアンワル首相が式典の打ち上げの司会を務め、当社の進歩が国家的に重要であることが強調されました。X90がSUVラインナップに加わり、式典には主要な政府関係者も出席し、国の自動車情勢におけるプロトンの重要性を強調する機会となりました。

プロトン創立40周年記念式典とアンワール首相(左から二人目) 2023年

Q4.  ルックイースト政策が御社やスタッフに及ぼした影響はありますか?

1982年にマレーシアが始めたルックイースト政策は、日本の経営慣行と技術進歩の採用を奨励することを目的とし、マレーシアの様々なセクターに大きな影響を与えました。
当社では、日本の経営哲学と方法論を積極的に採用し、それらを自社の業務に統合してきました。これには、カイゼン (継続的改善)、ジャストインタイム製造方式、総合品質管理 (TQM) などの採用が含まれます。これによって生産性と効率が向上しただけでなく、イノベーションの文化も促進されました。
さらに、この政策はスタッフの多様性にも貢献しています。当社は日本の慣行の導入に重点を置いているため、マレーシア人の従業員と日本の従業員の間で知識交換が多く行われました。この結果、文化的な理解と協力も促進され、多様で包括的な職場環境が実現しました。

ルックイースト政策40周年ロゴ (2022年)

Q5.  日系企業と仕事をするうえで困難なこと、他国との違いなどあるでしょうか?

他の多国籍企業と比較した日本企業との取引において、当社では文化やビジネスの違いを認識しました。日本企業は、長期的な関係の構築、相互尊重、合意に基づく意思決定を重視することで知られていますので、当社は信頼の構築と調和のとれたパートナーシップの維持に重点を置いています。さらに、日本企業は品質と継続的改善を優先します。これらにより、自動車業界内で製品の品質を向上させ、プロセスが合理化されることがよくあります。
日本企業と取引する場合、他の多国籍企業と比較してアプローチに違いがあるかもしれませんが、当社はそれぞれのパートナーシップを大切にし、アプローチ方法を調整しています。

 

アセアン自動車市場でのトップ3を目指し、販路を広げるプロトン社の一層の躍進に期待し、これからも国民車を応援していきたいと思います。

 

  マレーシアの工業化とプロトンの歩み  

 

◆マレーシア工業化への歩み

マレーシアの経済成長の歴史は工業化の歴史、と言っても過言ではありません。その歩みを簡潔に紹介します。

  • フェーズ1 1960年代 輸入代替政策
    輸入代替を中心とした工業化を推進した時期で、輸入に頼っている消費財などの創始産業を国がバックアップ。
  • フェーズ2 1970年代 輸出指向の工業政策 
    投資奨励法(輸出指向工業の振興)
    自由貿易区 (FTZ) を設置し、外国投資に対してインセンティブを与えた。今日の電気・エレクトロニクスでの繁栄の基礎をなす重要な政策であった。
  • フェーズ3 1980年代前半 重工業化の促進
    マハティール氏が1978年に通商産業大臣に就くと重工業化政策を唱え始め、1979年には国産自動車製造の実現可能性調査を実施。1980年に政府はHICOM (マレーシア重工業公社) を設立。
  • フェーズ4 1980年代後半~90年代 規制緩和
    1986年投資促進法により、税制上の優遇を用意して日本企業を誘致。100%外資の進出も認めるようになりブミプトラ政策を緩和。1988年には8%を超える経済成長を達成。1990年代には台湾、韓国などアジア企業を誘致。国営企業の民営化を進め、インフラを整備し、ビジネス誘導的な環境形成を促進。

◆プロトンの歩み

  • 1983年 - プロトン社設立、5億リンギを投じ工場を建設
  • 出資はHICOM70%、三菱自動車工業15%、三菱商事15%
  • 1985年 - 初の国産車 SAGAの生産開始 (三菱・ランサーベース)
  • 1986年 - 年間1万台生産、バングラデッシュに輸出開始
  • 1987年 - イギリスとアイルランドに販売拠点を設置
  • 1988年 - ドイツの国際モーターショーで3つの賞を獲得
  • 1992年 - SAGA ISWARA発表、年間販売台数10万台に
  • 1993年 - 新セダン WIRA発表
  • 1996年 - イギリスの名門 「ロータス」 を買収・子会社化
  • 2001年 - 初の自社開発車 WAJA発表
    年間の総販売台数が20万台、国内シェア5割に
  • 2003年 - 傘下のロータスとともに英国のサッカークラブ 「ノーウィッチ・シティ」 のスポンサーに
  • 2009年 - 初の自社開発MPV、EXORA発表
  • 2017年 - 中国の自動車大手、吉利汽車の親会社 「浙江吉利控股集団 (Geely)」 に株式の49.9%を売却
  • 2019年 - 年間販売台数が前年比5割増しの10万台に伸び市場シェア2位に返り咲き
  • 2023年 - 設立40周年

1988年から世界的な景気が上向いたことも重なり、1989年からは黒字を計上。1994年には、生産台数12万台のうち1万台を輸出するなど、海外にも基盤を広げてきた。


 


大使館からこんにちは

<日本・マレーシア間の最近の人の往来の動向>

在マレーシア日本国大使館 経済部
一等書記官(国土交通アタッシェ)
中尾 忠頼

 クアラルンプール日本人会会員のみなさま、こんにちは。先月のハリラヤ祝日はいかがお過ごしでしたでしょうか。

 さて、私は、2021年6月に国土交通省から外務省に出向し、マレーシアに赴任しました。当時は新型コロナウイルスの世界的流行の真っ只中で、乗客がほとんどいない飛行機に乗り、クアラルンプール国際空港に到着するとすぐにPCR検査を受け、その後市内のホテルで14日間隔離を行いました。人同士の対面接触の回避が望まれた中、その夏の東京オリンピック・パラリンピック競技大会は無観客での異例なかたちの開催でした。

 このように、当時の様相は今では想像しがたいほど国境をまたぐ人の往来がほとんどありませんでしたが、その後、ワクチン接種の進捗等により、マレーシアでは翌2022年4月から、日本では同年10月(添乗員付き団体旅行は同年6月)から観光客の入国制限が撤廃され、以降、両国間の人の往来は着実に回復傾向にあります。昨年2023年は、40万人以上のマレーシア人が日本を訪れ、新型コロナウイルス流行前の8割以上の水準まで回復しました。両国間の航空路線についても、2023年1月からバティック航空が日本への新規路線を開設し、その他の航空各社の便数も回復しています。今後も、両国双方からの訪問客数の増加が期待されます。

 

出典:日本政府観光局HP、マレーシア政府観光局HP


 昨年は、岐阜県、埼玉県、岩手県の、今年の初めには佐賀県の知事がマレーシアにお越しになり、それぞれの県の観光や特産品のプロモーションを行いました。マレーシアで日本への旅行に関心のある方は、東京や関西といった大都市圏だけでなく全国様々なエリアへの訪問を希望される方が多いそうです。今月には、札幌市にて東南アジア諸国連合観光連盟 (ASEANTA)総会が開催予定で、同市が東南アジア地域に対して観光の魅力を発信する良い機会となります。今後、さらに多くのマレーシアの人々に日本の様々な地域に足を運んでいただき、多様な景観や食文化等に触れていただくことを期待します。

 近年、日本のミュージシャンがマレーシアの人々の間でも人気を博しており、当地での公演を成功させています。また、今夏には、「KLP48」が発足予定です。48グループは日本国内でも多くの都市に姉妹グループを展開し、例えば、KLP48に移籍予定の甲斐心愛さんが所属するSTU48は国土交通省中国運輸局とコラボするなど瀬戸内地域に根付いた活動をしています。KLP48もマレーシアの人々に愛される存在となることを期待したいと思います。

 来年2025年には大阪・関西万博が開催され、マレーシアを含む世界各地から多くの人が日本に訪れることが期待されます。マレーシアは、独自に設計・建設するパビリオンでの参加を予定しており、同万博が日本の人々にとってもマレーシアの文化を身近に触れる格好の機会になればと思います。

 今後も、日本とマレーシアの両国間の人の往来がさらに活発化し、人同士の交流を通じて相互に理解を深め、両国の良好な関係強化にもつながっていくことを期待します。

 

 

 
今月のローカル食材​
<ほうれん草ご飯>
 
 


料理講習会講師 ちはる

マレー語Bayam HijauはGreen Spinachを指す

マレーシアのほうれん草「Bayam」と呼ばれる野菜にはいろいろな種類がありますが、葉が緑色の品種を「Bayam Hijau」と呼びます。強いクセもなく、和洋中印のどんな料理にも合う万能野菜で、味は日本のほうれん草などより優しく、緑色野菜が苦手な子供さんでも難なく食べられるでしょう。
今回は、この野菜を茹でてからペーストにし、ほうれん草ご飯を炊いてみました。出汁には椎茸パウダーとチキンを使いましたが、ほかの出汁でも美味しく出来上がるでしょう。

ほうれん草ご飯

🍳  材料 4人分

  • Bayam Hijau 200g (茹でた後の重さ)
  • 鶏ササミ 100g (一口サイズにカット)
  • 日本米 1カップ
  • 玄米 1/4カップ
  • もち麦 1/4カップ
  • 水 2.2カップ
 調味料
  • 椎茸パウダー 小さじ2
  • ローカル醤油 大さじ1
     

Bayam Merah (Red Spinach)
ややえぐみが強い

椎茸味の粉末調味料

🍳  作り方

この野菜を使う時に気を付けたいのが葉の洗い方。とても細かな砂が葉にびっしりと付いていることが多いので、食べた時に後悔しないよう丁寧にしっかりと洗い落とそう。

①根元の茎は硬いので長めに切り落とす

②水を張ったボールに葉を入れて洗い、数分水につけておく(細かい砂が落ちやすくなる)

③水を数回かえながら、両手でごく軽くもみ洗いし、砂が落ちたらザルに移す

④沸騰したお湯で30秒ほど茹でる (シュウ酸と呼ばれるアクを取り除くため)

⑤茹でた葉をざく切りにする

⑥ミキサーでペーストにする

⑦ミキサーがなければ、包丁を使ってみじん切りにする

⑧炊飯釜に米、ペースト、チキン、調味料を入れる

⑨水を2.2カップ注ぎ、普通炊きモードで炊飯する

⑩今回は、食感を良くするために、もち麦などをミックス

⑪炊きあがったらほぐし、器に盛る

⑫おにぎりにしても美味しく食べられる (写真は塩昆布をトッピング)

 

*このシリーズで紹介して欲しい食材や調味料・スパイス等あれば、事務局までお寄せください。office@jckl.org.my

 

 

 


今月の漢方
<端午の節句と菖蒲>

 

 


国際中医薬膳師/中医実習生  坪井良和

 五月五日の端午の節句によく用いられる花といえば、花菖蒲。菖蒲が「尚武しょうぶ」に通じる、または葉の形が剣のように尖っているさまが武士の刀を想像させるのがその由来といわれている。とはいうものの、端午の節句に菖蒲を用いるのは古くは中国から伝来した習慣で、旧暦五月五日といえば現在の6月、春から夏にかけての暑く湿度の高い時期に、薫り高い生薬で鬱々とした湿気を払うという意図があった。平安時代には菖蒲だけでなくヨモギやビャクダン、タチバナなどで飾りを作り、身に着けたり、軒先に飾ったりもしたらしい。
 

 このころ日本で楽しまれる菖蒲湯といえば、新鮮な菖蒲の葉を浴槽に入れて香りを楽しむものだが、中医学における生薬の菖蒲は葉ではなく、地上部が枯れた後に採取した根を乾燥させたもの、効能は開竅薬かいきょうやくである。開竅薬とは人間にある九つの竅 (穴の意味):目、耳、鼻、口、尿道と肛門の詰まりを通し、五感の冴えを取り戻す効果がある生薬のことで、ひきつけ、てんかん、卒中、熱病後の意識混濁、健忘症などに使われることが多い。

菖蒲湯に使うショウブ

生薬「石菖蒲」

 さて、ここで私は少し混乱した。中医薬の教科書では開竅薬「石菖蒲」として習い、実物も見ているのだが、その植物としての様子がどうも日本人の私が想像する菖蒲とはだいぶ様子が違うのだ。絵を見ると、石菖蒲は山間部の清流を好み、石の上に生え、ニラのような葉を持つ植物で、がまのような花をつけている。しかし、日本人にとって菖蒲といえば、池や小川のほとりに根を張り、立ち姿も凛としてきれいな花を咲かせるものだからだ。

 いずれも優れていて優劣がつかずに選択に迷うことのたとえとして「いずれアヤメかカキツバタ」という言葉があるように、日本でも「菖蒲」はよく混同されてきた。花を鑑賞する「菖蒲」としてはハナショウブ、アヤメ、カキツバタがあり、いずれもアヤメ科で花こそ似ているものの、花弁の模様や生息する場所が違うらしい。一方、菖蒲湯や邪気を払うのに使うのは、花が美しい「アヤメ科」ではなく、石菖蒲とおなじ地味な花をつけるショウブ科 (昔はサトイモ科といったらしい) のショウブ。日本で生花として手に入るものは湿地帯に生える背の高いもので、中薬の石菖蒲よりも開竅作用こそ劣るものの、血行促進や鎮痛作用があるといわれている。

薬玉の枇杷  美人花競

 これからの時期、気温とともに湿度も上がり、頭や体が重い、やる気が出ないなどの不調に悩まされる方も多いかもしれない。そんな時は、菖蒲湯にかぎらずお好きな香りを加えたぬるめのお風呂やシャワーでリフレッシュを。香りを利用して気の循環を促すことで、だるさのもととなる湿気の排出を促し、快適に夏を乗り切っていきたいものだ。
 

 

 

えっ!マレーシア <先住民族MAH MERIの行事に参加してみた>

 

 

MAH MERIの正月行事 (2024年3月10日撮影)
昔ながらの伝統を現代に繋げる先住民族の生活

マレーシアの先住民族の一つMAH MERIの行事「AYIK MOYANG(素晴らしい祖先) 」が3月10日におこなわれた。
MAH MERIはKLから1時間ほどの距離にあるKampung Orang Asli Sungai Bumbun (ケニーアイランドのスンガイ・ブンブン) に住んでおり、自然と祖先を信仰するアニミズムの文化を守っている。この行事は中国暦の2月1日、彼らのお正月に実施されるそうだ。
お社は伝統的なパンダンリーフ等のorigami (オリガミ) で飾られ、参加者はお清めの儀式を受ける。やがて音楽と歌が始まり、木の皮で作った衣装とオリガミで作った装飾を身に着けた踊り子が輪になって踊ると、お面をかぶった精霊が加わって踊る。次第に観客も輪の中に入り踊っている。派手さはないが癒される。

 

小さな村の行事であるが、ヨーロッパ、中華、インド、マレーと様々な民族の観客が集まっていた。MAH MERIの手工芸品や文化や風習はヨーロッパでは結構有名だという。また、彼等の作る木彫りの精霊には熱心なファンもいると聞く。日本の漫画家の故水木しげる氏もその一人で、木彫りのコレクターとして有名だ。
お社からすぐ近くにあるMAH MERI Cultural Villageは、MAH MERIの文化や風習を学んで体験できる施設である。

世界的にも知られる彫刻の制作

木彫りの精霊
木彫りの対象は、動物、植物、自然現象、竈や大地など様々ある

MAH MERI Cultural Village
オリガミ制作、民俗衣装着装体験
 

 
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