デジタル版
JCKLニュースレター
タイムリー且つ皆様のお役に立つ情報発信を心掛け、毎月初旬にお届けいたします。


現在、KL日本人会には65の部・同好会があり、会員相互の親睦と日馬交流、友好親善を深めるという当会の目的に沿って活動しています。他国の日本人会と比較しても圧倒的な数を誇り、ジャンルも多岐に及び、スポーツや趣味など、新しいことに挑戦しやすい環境にあるといえるでしょう。
今月号ではすべてのスポーツ活動を、来月号では文化活動を一挙に紹介していきますので、興味のある活動を探し見学から始めてみませんか。平日の夜や土日に活動する部・同好会もありますので、会社勤めの方もぜひご参加ください。各活動は自治的に行われており、活動の詳細や見学の申し込み等については各代表者まで直接お問い合わせをお願いします。
(本特集に掲載の情報は2025年4月時点のものであり、それ以降の情報更新は各部・同好会名のリンク先にて更新を行うものとします)

合気道は護身術です。攻撃技ではありません。楽しい稽古を続けております。
火曜・木曜 : 夜クラス、日曜 : 午前中
多目的ルーム、第2ホール
山田 012-227-7012

空手は、世界愛好者数1億3000万人以上。初心者から有段者まで、心と体を楽しく一緒に鍛えましょう。
日曜 15:15-16:45(初心者) 17:00-18:30(上級者) 第2ホール
竹澤 012-278-2355 田渕 012-939-3524

交剣知愛の精神のもと、充実した指導陣による稽古と日本剣道形の修練、公式戦への出場や昇級昇段を目指すこともできます。武道を通して心身を鍛え、いい汗をかきませんか。ご連絡お待ちしております。
水・木(高段)19:00-21:00・土15:30-17:00(初心) 17:00-20:00・日17:00-19:00 場所 : ホール(1階)
前田 012-392-2325 佐々木 016-201-8106

呼吸法&体幹ゆるトレ同好会では、なかなか1人では継続しづらい (そうですよねぇ...? ) エクササイズや呼吸法にストレッチを、身体能力の向上やケガの予防、そして美 ( !? ) と健康の為にメンバー皆で楽しみながら取り組んでいます。
木曜 14:00-15:30 第2ホール
Nico 012-702-1925 niconico12372@gmail.com (WhatsAppメッセージまたはメールを希望)

居合道や杖道に興味がある方、いっしょに稽古しませんか? 先生や先輩方がしっかりサポートしてくれるので、未経験でも大丈夫! 初心者歓迎、経験者も大歓迎!見学・体験受付中です!
日曜 13:30-16:30、金曜 19:00-21:00
活動場所 : ホール(1階)
村山:010-420-5073 渡辺:017-659-5179

ほとんどの駐在員とそのご家族の方が、マレーシアに来られてから初めて、少林寺拳法という日本で生まれた伝統武道を始められています。現在、6歳から65歳のメンバー21人が活動しています。是非ご家族皆さんでご参加ください。
日曜: 10:00-13:00 ホール(1階)
木曜: 20:30-22:00 第2ホール(3階)
細江 019-228-0061 kyohei.gyo@gmail.com

中国発祥の武術、太極拳。ゆっくりと動いて健康な心と体を作ります。老若男女どなたでもできますので、気軽にお越しください!メンバー募集中!
月曜 10:00-12:00 第2ホール
長谷川:011-2611-4196 重倉:010-265-3879
( WhatsAppメッセージで )

JCKL にて卓球を始めたビギナーが大半です。子供と高齢者が一緒に楽しめる稀有なスポーツ卓球を、冷房のあるホール (1階) で一緒に楽しみましょう。
水曜・金曜 : 午前中、月曜 : 夜
井上 017-669-1773 鷲津 011-1183-2646

リニューアルした超初心者の為のダンスサークルです。サルサ、社交ダンス、ディスコetc, いろんなステップができるようになります。パーティやクルーズも参加が楽しみに! 一度の人生シャインshineタイムをエンジョイしましょう!
木曜 10:15-11:30 ホール(1階)
011-7016-6283 kurukurufuchan0108@gmail.com 宮城

初心者 (未経験者不可) から上級者まで、週末に市内のコートで活動しております。まずは見学にお越しください!
土曜 : 主に午後、日曜 : 主に午前
中村 012-298-0347

年齢/性別、バスケットボール経験問わず、毎週楽しく活動しています!土曜は大人中心、日曜は子供中心で、両日20人〜30人で活動しています。まずは体験入部お待ちしています!
土曜 16:00-18:00 / 日曜 11:00-14:00
活動場所 : Cobra / Yoke Nam
入江 (大人バスケ) : watamal2021@gmail.com
Kidsバスケ(中学生以下) :
kl.twintowers.kids@gmail.com

軽快な音楽に合わせて、楽しく、無理のない体操で、体幹を鍛え、能活で健やかな身体作り。たまには楽しい仲間とグルメツアーで親睦を深め、充実したマレーシア生活をエンジョイしましょう。登録部員数 約15名、平均参加者 約7名
水曜 14:15~15:15 第2ホール
堀 momoyoukl@yahoo.com
小林 kazukbys3@gmai.com
5歳~15歳までの少年少女達が4つの年齢カテゴリー ( Under 8/10/12/15 ) に分かれ、楽しくそして一生懸命に白球を追いかけています。初心者大歓迎!まずは見学や体験にお越しください!
活動場所: KL日本人学校グラウンド
日曜 8:00-11:30 カテゴリーにより終了時間は前後します。大会前は土曜日の追加練習あり。
harimau.baseballclub@gmail.com

経験者を中心に、男女20名ほど集まって練習しています(経験者7割・初心者3割)。国内外の大会参加をはじめ、ローカルチームとの交流試合、練習試合も定期的に実施。小規模のグループで、和気藹々と練習中! お気軽にお問合せください
日曜 8:30~11:30 クアラルンプール日本人学校
佐藤 012-419-0815 (WhatsApp)
尾張 014-207-5933 (WhatsApp)

膝裏や関節の痛みを癒すヨガのひと時。心和み背丈伸びる実を体感いただけます。まずはお問い合わせ下さい。
木曜 11:00開始 12:00終了 多目的ルーム
喜美子 012-231-9723

KL近郊グランドで10代~50代の経験者から未経験者まで幅広いメンバーで良い汗かいてます!
まずは見学からどうぞ!
KL/PJ近郊グラウンド 日曜 9:00-11:00
久保 012-641-7644
ランニングクラブです。毎週のグループ練習会や近隣のレースに参加しています。My Paceで走ってください。奥様もお子さんも大歓迎。一緒に汗を流すと楽しいですよ。
日曜早朝、市内の各地公園にて
ひおき michael.hioki@gmail.com

仲間たちと吹矢による腹式呼吸で楽しみながら健康づくりを実践しませんか。
水曜 11:00-14:00 第2ホール
森山 014-326-0252
渡辺 011-1316-4793
そのほかのスポーツ同好会
アスタカジャパンFC | 活動は不定期 |
●見学/活動に参加される場合
- 当会会員であることが条件です。日本人以外の賛助会員も参加が可能です。
- 部・同好会の代表者に連絡して見学/参加希望であることをお伝えいただき、詳細をご確認ください。
- お子様が参加される場合は「家族会員の登録」が必要です。
会員ページにログインし、「会員情報」から家族会員追加の手続きをお願いします。
●部・同好会の会館施設使用ルールとお願い
部・同好会の活動にあたっては、理事会で定められたルールの遵守をお願いします。
こちらをご覧ください。

今月の写真<ザイール・モスク>
ケダ州の州都アロー・スターにあるザイール・モスク(Zahir Mosque / Masjid Zahir, Alor Setar)は美しく荘厳なイスラム建築の傑作とも評されている。1821年のシャム(現在のタイ)侵攻による犠牲者の埋葬地に建てられ、1912年に完成している。その後何度か改修され、現在のたたずまいとなっている。モスクの見学には服装等に注意が必要だが、親切に案内してくれる。
ザイール・モスクのあるアロー・スターは西マレーシアの北部に位置し、タイとの国境まで50㎞の距離。ケダ州の王都として歴史ある町だ。「マレーシア独立の父」トゥンク・アブドゥル・ラーマン初代首相や、「マレーシア近代化の父」マハティール元首相の生まれた町でもある。
ザイール・モスクの近くには元王宮のケダ州王宮博物館や時計塔などがある。

かとれあ会
2024年度かとれあ会 年次総会の報告
2025年4月28日(月)に、婦人部かとれあ会の年次総会がかとれあ室で開催されました。
当日は星合会長ご臨席のもと、2024年度かとれあ会の活動や会計等について報告されました。
ご多忙のなか多くの方にご出席いただき、無事に総会が終了しましたことをご報告申し上げます。
「チャリティ活動委員会」の発足とKL日本人会「婦人部会」の解散について
これまでKL日本人会のボランティア活動は、KL日本人会に所属する女性会員によって構成される「婦人部会 (通称 かとれあ会) 」を中心に福祉施設への訪問・視察・ボランティア活動への参加、チャリティバザーの開催、またその収益を慈善基金を通じてマレーシアの福祉施設・団体への寄付の実施等を行ってきました。
2025年4月より、この伝統ある有意義な活動をジェンダーフリーの活動形態へと変化させるため「チャリティ活動委員会」を発足しましたので、今後はKL日本人会のチャリティ活動を希望する会員はどなたでも参加できるようになります。よって、会則第21条の「婦人部会」はその活動が「チャリティ活動委員会」に引き継がれることとなりますので、本年6月の日本人会年次総会で会則の改定を承認頂く予定です。また、これに先立ち、かとれあ会年次総会では、婦人部会かとれあ会の解散とチャリティ活動委員会への活動の継承をお知らせいたしました。婦人部会の活動に対するこれまでの皆様のご理解とご協力に感謝いたしますとともに深く御礼申し上げます。
今後のチャリティ活動、ボランティア募集につきましては、引き続きメールでのお知らせ、ホームページ、掲示板、ニュースレター等で報告して参ります。
料理講習会講師 ちはる

先回に続き、スパイスを使ったマレー料理に挑戦します。
クルマカレーというのは、ヨーグルトやクリーム、ナッツペーストを使った南インドのクリーミーなカレーのことです。ココナッツミルクなどをたっぷり入れるので、スパイスを使っていてもマイルドな味に仕上がります。
ここで紹介するマレー系のクルマカレーは、ターメリックを入れない白いカレーです。スパイスとカレーの素はスーパーで入手できますので、どなたでも挑戦しやすいと思います。
🍳 材料 (4人分)
(ホールスパイス)
クローブ 2個
カルダモン 2個
シナモン 1本
スターアニス 1個
フェンネル小さじ 1/2杯
クルマ ミックス 125g
カレーリーフ 小枝1本
コリアンダー(パクチー) 適量
キャンドルナッツ 4粒
鶏肉(皮なし) 500g
じゃがいも 200g
ニンジン 100g
トマト 150g
(ペースト)
玉ねぎ 150g
にんにく 4片
生姜 10g
ココナッツミルク 100~200ml (好みで調整)
油 大さじ3
水 1リットル
塩 10g~

クルマ ミックス (カレーの素)
Kurma Mix Powder
RM4/125g
スパイス類はBABASの商品がおすすめ

キャンドルナッツ Candlenut
RM3.7/100g
油分が豊富で、マレーシア料理やインドネシア料理ではコクを出すためによく使われる

ココナッツミルク
Coconut Milk RM4/200ml
フレッシュな冷蔵タイプ、常温保存の真空パックなどがある。傷みやすいので早めに使い切ること。余ったら冷凍保存しよう。ミルク本来の甘みがあるので、入れる分量は好みで調整したい
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カレーリーフ Curry Leaf
RM2/小パック
スパイシーな香りを持ち、料理の香り付けによく用いられる。柑橘系の芳香も併せ持つ。ビタミンA・B・C・E、カルシウム、鉄分が豊富で、様々な効能も期待できるハーブ
🍳 下準備
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①キャンドルナッツを砕く
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②玉ねぎ、にんにく、生姜をハンドブレンダーなどでペーストにする
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③カレーリーフは小枝から葉をもぎ取っておく(葉だけ使う)
🍳 作り方
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①油を引いた鍋にホールスパイス5種類を入れ、弱めの中火で2分ほど炒めて香りを引き出す
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②ペースト状にした玉ねぎ・にんにく・生姜、砕いたキャンドルナッツとカレーリーフの葉を入れる
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③中火で3~4分、玉ねぎがほんのり茶色になるまで炒めたら、クルマミックス(粉)と水を入れ、かき混ぜて溶かす
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④鶏肉を入れて5分煮る
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⑤じゃがいもとニンジンを入れ、柔らかくなるまで煮る
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⑥トマトと塩を入れ、トマトが煮崩れるまで火を通す
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⑦ココナッツミルクとパクチーの茎の部分だけ入れ、数分煮る

⑧皿に盛り、パクチーの葉を上に飾り完成
今月の漢方
<高血圧>
国際中医薬膳師/中医実習生 坪井良和
盆の窪(首の後ろの中央にある少しくぼんだ部分)が張る感じが続いていた。パソコンに向かうことが多いので、こっているんだろうとは思っていて、そろそろマッサージに行こうかなぁと思っていた矢先、健康診断で血圧の高さを指摘されることになった。一度は本人だけでなく医師や看護師まで驚くほどの数値が出たのだが、待合室で15分の安静後再計測するとまぁまぁ許容範囲の数値が出て、とりあえず投薬治療の開始は免れた。ただ、三週間の血圧モニタリングと医師への測定結果報告を約束させられ、起床後すぐの血圧測定が朝のルーティンの一つとなってきたところである。

厚生労働省の2019年版基準によると、「高血圧」とは「最高血圧が140mmHg以上か最低血圧が90mmHg以上、またはその両方」である症状を指す。ふだんは正常血圧で環境などによって一時的に高血圧の状態になっている場合には医療機関での治療は必要ないとされているが、長期間にわたって高血圧の基準値を超え続けると、「高血圧症」といって、動脈硬化、脳出血・脳梗塞、心筋梗塞・狭心症といった高血圧の合併症を引き起こしやすい状態になってしまい、医療機関での治療が必要となる。高血圧症状の発症には、加齢のほか、体質などの遺伝的な要因や、塩分の過剰摂取、肥満、過度の飲酒、運動不足、ストレス、喫煙といった生活習慣が関係しているので、自身の生活を省みて改善していくことが大切である。

東洋医学による高血圧症へのアプローチのうち内科的なものとしては、血圧そのものを下げるのではなく、それに付随する症状から高血圧の原因を推定して生薬を配合し、投薬治療していくことになる。例えば、長期間にわたるストレスや睡眠不足が原因で高血圧になり、怒りやイライラ、不眠といった症状が強く現れている場合は、竜胆瀉肝湯や柴胡加竜骨牡蛎湯といった、体の熱を冷まし鎮静作用のある漢方薬を処方することが多いし、比較的高齢もしくは体力のない人で、のぼせやすい反面手足が冷えるといった症状のある場合、八味地黄丸で、体内の気血水の不足を補いながら陰と陽のバランスを整えて血圧を正常値に近づけるという場合もある。漢方薬の場合、内科医によって処方される降圧剤に比べ降圧効果は緩やかだが、高血圧だけでないそのほかの体の不調にも効果が期待できるというメリットがある反面、甘草や柴胡といった飲み合わせに注意が必要な生薬が配合されていることがあるので、内科医のアドバイスを受けたり、現在飲んでいるほかの内服薬との飲み合わせを薬剤師に相談するなどの注意が必要だ。

竜胆瀉肝湯に配合される竜胆
リンドウの根を薬用としたものだが、非常に苦いのが特徴
このほか、鍼による高血圧症状の改善というアプローチもある。鍼治療が高血圧に作用するメカニズムとしては、交感神経活動(日中に優位になっている身体の活動性を高める神経)の抑制、筋肉の緊張を緩和し血流を良くする、といったことが研究で明らかになっている。施術部位としては、百会、神庭、風池、大椎など頭部のツボのほか、頸部から肩、背中に出る反応点(押して痛さを感じるところ)など。このほか足の甲にある行間、太冲は血圧を下げる効果のあるツボとして伝統的によく知られているし、腕にある神門、内関は、イライラを鎮め不眠の解消に効果があるのでよく併用される。中医学の鍼による治療には、詰まっている気を発散させたり、気の流れを誘導したり、また反対に気を補ったりなど、鍼を刺す角度、刺した後の鍼の動かし方によっても得られる効果がさまざまなのも面白い。

血圧を下げる効果が認められているツボ
左から風池、厥陰兪、太冲

鍼の施術法
左図は刺したあと鍼を上下方法に動かす提挿法、右は鍼を回転させる捻転法。その深さ、幅、角度、速さなどでそれぞれ期待できる効果が違い、症状に合わせて組み合わせる
生活習慣病は一朝一夕には進行しないし、そのまま治癒するものでもない。思い立った時に少しずつ、体にいいことを取り入れていくことが一番の予防法ではないかと思う。夜更かしをしない、ストレスをためない、味付けの濃いものばかりを食べない、適度な運動を継続するというのは洋の東西を問わずアドバイスされることではあるが、言うは易く行うは難し。せめて、体の不調は放置せず、生活を見直したり、専門医に相談するなど早めの対処を心がけたい。

6年ぶりにこどもの日イベント(会員限定)が復活します!
日 時:2025年 5月3日 (土) 11:00~16:00
場 所:KL日本人会 会館内
参加費:無料
詳細:HPご参照(The Japan Club of Kuala Lumpur | こどもの日)
子どもたちが楽しめる「巨大シャボン玉広場」「ダンボール迷路であそぼう!」「部・同好会の皆様による楽しく学ぶ・遊ぶブース」等盛りだくさん!
こどもの日にちなんだ砂絵やこいのぼりクッキーデコなどもありますので、ぜひ遊びに来てね!
1階(GF)ホールのこどもゲームコーナーでは、日本のお祭りの定番「千本引き」や「箱の中身当てゲーム」など、楽しいゲームをご用意! お気に入りのゲームを見つけていっぱい遊ぼう! 高得点者には特別ギフトをプレゼント!
さらに、館内にあるこどもの日クイズに答えてプレゼントをゲットしよう! あなたはこどもの日についてどれだけ知っているかな? プレゼントには数に限りがございますのでお早めに!!
なお、当日は駐車場が大変混雑することが予想されます。出来るだけお乗り合わせや公共交通機関でのご来館をお願いします。満車の場合は、駐車いただけませんのでご了承ください。

2008年に夫とマラッカへ移住してきた彩子E.ハーイです。この「マラッカ通信」では、在住者の視点からマラッカの魅力をご紹介しています。
今回は、マラッカの大いなる繁栄と、16世紀のポルトガルによるマラッカ占領についてお話ししたいと思います。
■マラッカの繁栄
15世紀初頭に始まったマラッカの繁栄は、「この港に入ってくる船は世界中のどこよりも多い」と言われるほどでした。中国からの陶磁器や絹織物などを満載したジャンク船。エキゾチックな香りを放つスパイスを積んだ、モルッカ、マカッサルなどの島々からの船。インドネシアからの米などの食料品や金などを積んだペラフ船。インドからは、キャラコ、モスリン (薄手の織物) 、美しいサロンなどの布製品。ビルマやシャムからはチーク材や米。アラブからはガラス製品、銅製品や鋼鉄。アラビアの商人達は陸路をはるばるやってきました。
『My People My Country』(Bernard Sta Maria 著) には「マラッカの君主は誰であろうと、その両手はヴェニスの喉元を押さえている」と記されています。それぞれの国の特産品を満載して入港してくる船。持参してきた品物を売りさばいた資金で他国の珍しい品々を購入し、船いっぱいに積んで出航を待っている船などで、マラッカの港は溢れかえっていました。

マラッカ港(17世紀ごろ)
マラッカの魅力はなんと言っても、その異国情緒にあるのではないでしょうか。マレーシアの一都市であるにもかかわらず、マラッカは重層的な異文化の共存する町として知られています。マラッカ観光の中心地であるオランダ広場に立つと、「マラッカレッド」とでも呼ぶべきダークオレンジに塗られた建物群が目に入ります。これらの建物はその名の示す通りオランダによって建てられたもので、政府の役所や知事公館として使われていました。
噴水は、英国の統治下でヴィクトリア女王の死後3年目の1904年に、マラッカ市民が偉大なる女王陛下の思い出のために立てたものです。広場の後方のセントポールの丘の上には、ポルトガルの建てたカトリック教会の遺跡。その前に立っている大理石の像は、ポルトガル王ジョアン3世により派遣されたスペイン人の宣教師、フランシス・ザビエルです。広場からマラッカ川にかかる短い橋を渡れば、賑やかなチャイナタウン。そして近くにインド人街もあります。何気ない日常のあらゆる場面が多文化で構成されているのがマラッカだと言えるでしょう。


しかし、約600年前の15世紀のマラッカは、これをはるかに超えるコスモポリタンな国でした。「世界中からやってきた10万人を超える人々が、84の言語を話していた。その内2万人は外国人の傭兵で、武器、弾薬も豊富にあった」と『My People My Country』に記されています。
マラッカが最盛期を迎えていた頃、ヨーロッパは「大航海時代」と呼ばれる時代に突入していました。先陣を切ったのはポルトガルでした。この小国が世界各地に拠点を持ち、ポルトガル帝国を築き上げたのです。マラッカも1511年から1641年の130年間、その占領下にありました。
■ポルトガルによるマラッカ占領の時代
🔳大航海時代の先駆け 航海王子 エンリケ

大航海時代の幕を開いたエンリケ
人口200万人に満たない小国ポルトガルが、いち早く新たな航路を見つけようと大海原へ進出して行くジャンピングボードとも言うべき基礎を築いたのは、航海王子と呼ばれるエンリケ (1394-1460) でした。彼自身は航海に出たことはないのですが、イスラムやユダヤの学者達から学んで地球が丸いと知っていたのです。
彼は「航海学校」を創設し、多くの航海者を育てました。学校では、航海術、造船技術、天文学、地図制作などを指導させました。彼は、アフリカ西海岸やアフリカ内陸部などに幾度も探検隊を派遣しています。ポルトガル帝国植民地政策は、すでにエンリケによって始められていたのです。
ポルトガルの未知の世界に対する熱い思いは、経済的発展やキリスト教の布教という現実的な目的、また熱帯の国々に対するロマンチックな憧れ、それと同時に少ない人口を増やしたいという、他国とは異なる切実な願いに後押しされていました。彼らが求めていたものは、食物をおいしくさせ長持ちさせる香辛料だけではなく、子孫を増やすための精力増強剤だったのです。そのためポルトガルは医師や科学者を航海に同行させ、熱帯の様々な薬草や薬を収集させました*。さらに、ポルトガル人と現地の人々との結婚による新しい世代が生まれることを望んだのです。

エンリケの後に探検家達が続いている

🔳ヴァスコ・ダ・ガマ とインド航路

ヴァスコ・ダ・ガマのリスボン出航を描いた絵画
最も早い時期の海の冒険者の一人であるヴァスコ・ダ・ガマ (1460-1524) はポルトガルの貴族で、優れた航海技術を身につけていました。ポルトガル王の命による最初の大航海は1497年で、コロンブスのアメリカ発見の5年後です。リスボンを出航して南に下り、アフリカ最南端の希望峰を廻ってインドに至るルートで、沿岸の国々との交易を確立しました。しかし、その手法は猜疑心に満ちた暴力的なもので 、残念ながら以後ヨーロッパによる植民地開拓の手本となってしまいました。大航海時代は大虐殺、大搾取の時代でもあったのです。
ヴァスコ・ダ・ガマは3回のインドへの航海の成功により、それまでアラブ人によって牛耳られていたEastern Trade (インド以東のアジアとの交易) を、仲介者なしで行えるようにしたことで莫大な富をポルトガル王にもたらしました*。本人も莫大な報奨とさらに高い爵位を手に入れます。さらにインド総督に任じられゴアに赴任しましたが、病に倒れわずか3ヶ月後に亡くなってしまいました。

ヴァスコ・ダ・ガマの最初のインドへの航路
ポルトガルは、インドのゴア、マラヤのマラッカ、中国のマカオを拠点としてアジアに進出しました。ブラジルは唯一の例外と言えるでしょう。
ヴァスコ・ダ・ガマはマラッカと直接の関係はありませんでしたが、彼の息子たち6人の内5人が1533~1554年の間に、マラッカで海軍提督、ファモサ長官などという要職についていたとされます。長男はインドのゴアで、インド洋、アラビア海、ペルシャ湾の海軍提督という地位にあったようです。東洋と冒険に憧れる一家だったのでしょう。
🔳アルブケルケとマラッカ占領

ポルトガル艦隊アルブケルケ提督
中国との貿易の中継拠点を求めていたポルトガルにとって、季節に関係なく使用できる良港を持つマラッカの繁栄は非常に魅力的でした。マラッカは最盛期にはタイ南部とスマトラ島の一部も影響下におき、周囲の海も広く支配していたのです。
ポルトガルによる最初の攻撃は 1509年の小規模なもので、それは失敗に終わりました。その2年後、ポルトガル艦隊のアルブケルケ提督は18隻の帆船で700人のポルトガル人と300人のインド人を率いて、インドから復讐戦にやってきました。彼は先ず平和裏に降伏するよう使者を送りましたが 、マラッカ側は自分たちの力を過信し、戦いを避ける意志はありませんでした。戦いは7月25日に始まり、激しい戦いと凄まじい破壊と殺戮の後、マラッカは2週間で陥落しました。火を放たれた町は一週間燃え続け、まるで墓場のようだったと記されています*。
アルブケルケはこのあと、兵士達に3日間の略奪の期間を与えます。マフムード王 (Mahmud Shah) の宮殿からも奪える物はすべて奪われました。**
マラッカのマフムード王は兵と共に脱出し、幾度か反撃を試みますが、やがてジョホール王国を建国しました。
アルブケルケは、すぐさま城と礼拝堂の建設を命じました。彼は兵隊ばかりでなく、医者は勿論、大工や石工といった各種職人、漁師なども連れて来ていたのです。この城は50m四方の小さいものでしたが、アルブケルケは余程気に入ったのか「A Famosa (高名) 」と名付けました。後世、全長1.3kmの城壁に囲まれた砦「Fortaleza」ができましたが、その中にはアルブケルケによって建設された城「A Famosa」、5つの教会、2つの病院が建てられ、ポルトガル人300の家族が住み、彼等を護る守備隊が常駐していました。町のモデルは中世ヨーロッパの街並みでした。商業活動は砦の外で行われ、現在のテンケラ地域の辺りがその中心でした。

中心に描かれている高い塔を持つ建物が「A Famosa」
Fortaleza はまだ建設されていない (1520年制作の絵)
現在セントポールの丘の上に建っているローマカトリック教会は、最初に建てた教会が手狭になり1521年に3度目に建て替えられたもので、アジアでは最古の石造のヨーロッパ建築です。1641年のオランダの占領によりプロテスタントの教会となり、1753年に丘の麓の教会 (クライスト教会) が完成すると、教会としては使用されなくなりました。それ以後は弾薬庫となり、英国軍の占領後も同じで、現在は壁と床と地下だけが残されています。屋根はないままですが、いにしえを偲ぶ数少ない遺産としてマラッカの名所の一つとなっています。
アルブケルケは1511年、マラッカを制圧した後、「私はここに、従来信じられてきた “マラッカには知られる限りのありとあらゆる種類の薬とスパイスが揃っている” ということが事実である事を宣誓する」と語っています*。しかし、それでもまだ足りなかったのでしょう。彼は次にスパイス諸島への探検隊を送り出します。その中にあの「マゼラン」も入っていました。
6か月後、アルブケルケがマラッカを去るにあたり、連れて来ていた700人のうち600人を「現地の女性と結婚して子孫を残し、ポルトガルの勢力を拡大するように」と残していきました。これがマラッカのポルトガル人社会の始まりです。
マラッカから奪った金銀財宝をポルトガル王と妃への土産に、アルブケルケは意気揚々と帰路につきました。しかし船は途中で座礁し、命は助かったものの、ほとんどの財宝は失われてしまったと言われています。
アルブケルケはその後3年ほどでこの世を去りました。よほど打撃が大きかったのでしょうね。
次回は、世界一周の「マゼラン」と、彼の通訳でマラッカ出身の「エンリケ」についてお話ししましょう。
引用・参考文献:
*『My People My Country』 by Bernard Sta Maria
**『The Portugese Misssions in Malacca and Singapore Instituto Cultural de Macau』
※筆者紹介 彩子E. ハーイ
北海道根室市出身。札幌市藤女子大学卒業後、OMF日本語学校に就職。アメリカ人の夫とニューヨークに3年、ロスアンゼルスに9年滞在。日本に帰国後、名古屋大学大学院にて修士号取得。大学非常勤講師として英語を教える。2008年に夫とマラッカに移住。

えっ!マレーシア
<ウェサックデー (お釈迦様の生誕日)のお祭りに参加してみた>
マレーシアの祝日「ウェサックデー(Wesak Day)」はお釈迦様の生誕・悟り・入滅を祝う日で、旧暦で祝うため2025年は5月12日 (月) がこの日にあたる。日本では「花まつり」「灌仏会」といって毎年4月8日に行われている。
昨年2024年のウェサックデーにブリック・フィールズにあるBuddhist Maha Vihara Templeに出かけたので、その時の模様をお伝えしよう。

Buddhist Maha Vihara Temple

参道にはたくさんの屋台が並ぶ
いつもは静寂に包まれゆったりとした空気が流れるこの寺院も、この日は家族連れの参拝者で賑わいを見せていた。参道にはたくさんのテントが並び、境内ではダンスパフォーマンスなどが実施されていた。花がたくさん飾られ、健康・平和・幸福の祈りがこめられたキャンドルが灯され、夕方には寺院からKL市内へと花で飾られた車とともにキャンドルライトの行列もできるという。
この寺院のお堂には、たくさんの国から贈られた仏像が安置されている。その中には日本から贈られたものもある。日本では誕生仏(右手を真上に挙げ天を指している仏像)に甘茶をかけている「浴仏」は、お釈迦様が生まれた日に現れた龍が天から甘露の雨を降らし、それを産湯にしたという言い伝えに由来している。ここでは花びらを浮かべたお水をかけている。「浴仏」は悪いカルマ(業)を浄化させると言われているそうだ。
お釈迦様が生まれたのは花園と言われており、この日たくさんの花が飾られていて、まさに「花まつり」である。今年も世界中で多くの仏教徒が寺院に集い、お釈迦様の生誕を祝うとともに良き世をとの祈りを捧げることだろう。

小さなお子さんも熱心にお参りしていた

日本から贈られた仏像も後方に安置されている

夕方には、花で飾られた車とともにキャンドルライトの行列ができる

ショッピングモールのイベントブースに設置された「浴仏」は花びらを浮かべたお水が用意されていた
JCKLニュースレター
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