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今月の写真<大阪・関西万博マレーシア館>

会期4月13日から10月13日までの大阪・関西万博もあと1か月と少し。来場者数も加速的に増加し、当初の懸念を振り払う賑わいを見せている。

そして、数あるパビリオンの中でも、マレーシア館は強い存在感を放っている。表紙写真からも感じられるが、まず目を引くのがその美しい外観。マレーシアの竹と日本の竹を組み合わせたデザインは、世界的に知られる日本の建築家・隈研吾さんの設計。マレーシアと日本との友好的なつながりを感じさせてくれている。

マレーシア館のテーマは、「Weaving a Future in Harmony」(調和の未来を紡ぐ)。マレーシアの自然、文化、技術の多様性と調和、多民族国家を象徴する展示内容で、体験プログラムも多彩に用意されている。伝統工芸の実演、民族衣装の試着体験、地域文化の紹介、ハラル認証のマレー料理の提供、伝統衣装での民族舞踊のパフォーマンス、民族音楽ガムランの演奏等、マレーシアを十分に感じられる内容は、独自性も高く、マレーシア愛にあふれる構成になっている。それは館内だけではない。パビリオンの前を通ると漂う香りは、「あっ、マレーシア」と感じさせる瞬間であり、もうそこからも演出は始まっている。短時間ではあるが、館外スペースでのパフォーマンスも行き交う来場者を楽しませ、来場者が一緒に踊る姿も見られる。

そして、特に話題になっているのが、食とパフォーマンスが融合した『フライング・ロティ・チャナイ』。ロティ・チャナイの生地を空中に高く投げ上げたり回転させたりするパフォーマンスは、待ち時間をも楽しむことができ、SNS等でも数多くシェアされている。ナシレマやロティ・チャナイ、サテー、ナシゴレンなど本格的な味が楽しめ、他のパビリオンと比べてもお手軽価格。テイクアウトとして外のベンチでもゆっくり楽しめるということから、このフードコートの人気も上々だ。しかしながら、マレーシア在住者にとっては、メイン料理が1,600円以上からの提供という万博会場価格を見ると、マレーシアに戻ってから食べることにしよう、となるのが正直なところ。

パビリオン屋上の演出もマレーシア感にあふれている。癒しの場所として、温かみのある木製デッキ、マレーシアをイメージした熱帯植物が配され、開放的でゆったり寛げる空間に設計されている。そこから周囲のパビリオンも眺められるビュースポットもありがたい。

予約不要のマレーシア館。心温かくて優しいマレーシアを存分に味わえるマレーシア館は、話題になっている他のパビリオンに比べても決して引けを取らない。2026年観光客誘致キャンペーンの「Visit Malaysia 2026」の話題もマレーシア国内で聞かれつつあるが、このマレーシア館の素晴らしさ、関係者の意気込みからも、マレーシアのよさを世界に発信できた場所になっているのではないだろうか。

マレーシア館フードコートのメニュー

大屋根リングから見た夜のマレーシア館

 

 



マレーシアは13の州と連邦直轄地から構成されており、それぞれが独自の歴史、風土、文化を育んできました。多様性を特徴とするマレーシアでは州による違いも大きく、マレーシアの多面的魅力を州レベルで探っていくことにしましょう。今回は北部のケダ州とペルリス州をご紹介します。
パハン州とペラ州の記事はバックナンバーをご覧ください。https://www.jckl.org.my/newsletter/2024-11#p0​

次のページもマレーシアを知る上で参考になるデータです。
日本外務省 マレーシア基礎データhttps://www.mofa.go.jp/mofaj/area/malaysia/data.html
マレーシアの人口統計https://data.gov.my/data-catalogue/population_malaysia
 

  ケダ州  Kedah


半島部マレーシアの北部西岸に位置し、北側はぺルリス州。北東はタイ南端(ヤラー県、ソンクラー県)と接し、陸路で越境する場合はケダ州のブキッ カユ ヒタムからタイ側のサダオへのルートがある。
ケダ州はマレー系住民が多く、公休日を金曜日と土曜日に定めている。金曜日はイスラム教徒にとって大切な集団礼拝があるためで、政府省庁や学校もこれに沿っている。マレーシアでは州ごとに祝日が決められていることから、マレー系住民が多い州では、イスラム教関連の祝日が多い傾向にある。出張や旅行などで訪れる際には、現地の祝日を確認すると安心だ。​
マレーシア各州の祝日は当会のホームページを参照。
Malaysian Employers Federation (MEF) の英語ページを参照してもよい。
https://www.mef.org.my/PublicHoliday.aspx

ケダ州の特徴
①歴史ある王国
旧ケダ王国時代より、インド洋からの物品を東海岸のパタニやソンクラー等へ運ぶ交易路を有し、港市国家として栄えていた。​
②米どころ
マレーシアの米どころとして知られ、稲作に適した平野が広がる。​
③シャム語​
ケダとシャムの歴史から、ケダの地名にタイ語由来のものも見られる。
④ランカウイ島
世界中から観光客が訪れるランカウイ島を有し、観光業を支えている。​
⑤クリム ハイテクパーク
日本のODAで開発され、日系製造業も多く操業している。​


州都 アロー スター​
人口 220万人
面積 ​約9,428㎢ ​
主要産業 農業、漁業、製造業
州の花 Bungor (サルスベリ)
KLにはない祝日:
・スルタン誕生日 6月第3/第4日曜日
・モハメッド昇天祭(毎年日付が変わる)
・ラマダン月の1日目(断食初日)
・ハリラヤハジ2日目
※KLで祝日となっている Nuzul Al-Quran Day (コーラン啓示日) はケダ州では祝日ではない

Sultan Kedah

サーレフディン第29代州​​
(1942.4.30生まれ、83歳)
ケダ州スルタン27代王の9番目の子女で、トレンガヌ州の王女と結婚。異母兄のスルタン アブドゥル ハリムの
崩御に伴い、2017年に75歳で即位。兄が崩御したその日に開催されたケダ州国王任命会議で任命された
インドのプーナ軍事工学大学を卒業し、インド陸軍士官学校で士官候補生訓練を受けたことから軍歴が始まり、タイ国境地帯の治安維持活動に従事するなど軍事への関心が高いことで知られる。​

ケダ州の紋章
州旗と同じデザイン
盾、三日月、稲穂

 

クリム ハイテクパーク(Kulim Hi-Tech Park)
1996年に北部最大のハイテクパークとして運用開始されたジョイントファクトリー。日本立地センターが設計。
半導体の製造拠点として知られ、医療機器、精密機械などを含む海外メーカーも数多く操業している。海外から投資を呼び込むための各種設備・制度が整っており、ペナン港や空港へのアクセスも良好で、物流面でも有利。
2024年時点での総面積は約20㎢で、第2期開発で拡張が予定されている。マレーシア投資開発庁 (MIDA) と連携し、国家半導体戦略にも貢献する重要拠点となっている。

 

 ケダ州の観光スポット

ケダ王国の歴史は古く、州都アロー スターには歴史的建造物が多く残されている。

ザイールモスク  Zahir Mosque
州都アロー スターの中心地に建ち、美しく荘厳なイスラム建築の傑作とも評されている。1821年のシャム侵攻による犠牲者の埋葬地にケダ州スルタンによって建てられ、1912年に完成。その後何度か改修され、現在のたたずまいとなっている。​

時計塔  The Big Clock Tower​
1912年に礼拝時間を知らせる鐘を鳴らすための時計塔として、ザイールモスクの隣に建設された。現在はスピーカーからアザーンが流されるようになり鐘は鳴らないが、時計は今も動いている。白を基調としたコロニアル様式の塔に黄色のドームと三日月が輝く。

アロー スター タワー  Alor Setar Tower
1997年に開業した高さ165mの通信塔。タワーには展望台、回転レストラン、お土産屋さんが入っている。タワーデザインは水田に覆われたケダの地形と束ねられた稲穂を表している。
上記の3つのランドマークは、いずれも幹線道路沿いに並んでおり、徒歩圏内。

ケダ州王宮博物館  Kedah Royal Museum​ (マレー語:Muzium DIRAJA)​
1753年建設の王宮を博物館として改装し、1983年より一般公開。王族が使用した衣装、家具、食器、贈答品、メダル等のコレクション、結婚式の再現展示等があり、歴史の長いケダ王家の文化と歴史を体感できる。
第二次世界大戦中に日本軍の駐屯地として使用された歴史もある。

ケダ州博物館  ​Kedah State Museum
(マレー語:Muzium Negeri Kedah)
ケダ州の歴史、文化、芸術などを紹介する博物館として1957年にオープン。元々は19世紀末に建てられた英国官吏の邸宅で、改修して博物館に生まれ変わった。伝統的マレー建築とコロニアル様式が融合した美しい建造物も見どころだ。

「ブジャン バレー遺跡」「考古学博物館」​
Bujang Valley Archaeology Museum​
224㎢にも及ぶブジャン渓谷は、東南アジア最古クラスの文明の1つとされ、二千年以上前のものと考えられている。50以上の古代建造物と1,000近くの遺物が発掘され、一部は博物館の敷地内に保存されている。発掘現場や古代遺跡を間近に見てみよう。

 

 ランカウイ​

ケダ州に属するランカウイ諸島は、マレー半島西海岸のアンダマン海に浮かび、99の島々から成り立っている。一番大きなランカウイ島は、国内屈指のリゾート地。ユネスコのジオフォレストパークに指定され、開発できる地域が島全体の35%に制限されており、太古の熱帯雨林が保護されている。
島全体が免税特区(duty-free zone)という魅力も加わり、世界各国から観光客が訪れる。免税店はクア タウン、パンタイ チェナン、ランカウイ空港に多くあるが、免税対象品や数量制限などの免税ルールには注意したい。

ランカウイで楽しめる3つのエリア

  1. ジオパーク
    ジオパークとは、世界的に貴重な地質や地形を成し特徴的な歴史文化を有する自然公園を対象に認定されるもの。ランカウイには約5億年前の古い地層が残され、太古から続く自然が残されている。マングローブ林が育む多様な生態系が保存され、ボートに乗って各ジオパークを巡ることも出来る。マングローブツアーに参加したり、洞窟巡りをしたり、楽しみ方は様々だ。​
  2. ビーチ
    沿岸部には世界有数のホテルが建ち、贅沢なリゾートステイが叶う。複数の島を巡るアイランドホッピング、ダイビング、シュノーケリング、カヤック、サンセットクルーズなど、マリンアクティビティが揃う。
  3. クア タウン
    ランカウイ島の中心地で、島の居住者の生活拠点となる街。お手頃なホテル、ショッピングモール、レストラン、雑貨店、ナイトマーケットなどがある。

スカイキャブ Sky Cab
マチンチャン山の頂上まで15分、全長950m。頂上には遊歩道と展望台があり、360度のパノラマが広がる。乗り場はアトラクションなどが集まるオリエンタルビレッジ内。

スカイブリッジ Sky Bridge​ 
湾曲した形が特徴の歩道橋。橋は山に固定された支柱と8本のケーブルを支えに空中に高く吊り上げられており、スリル満点。まさに空中回廊だ。

イーグルネスト スカイウォーク Eagle’s Nest SkyWalk​
ランカウイ島の新たな絶景スポット。標高650mの山の中腹から長さ38mのガラススカイデッキが突き出している。

パンタイ チェナン
Pantai Cenang
ランカウイのメインビーチ。約2kmにわたって砂浜が広がり、メイン通りにはレストランやスパなどが並ぶ。空港から車で15分。

キリム ジオパーク
Kilim Geoforest Park​
切り立った岩山や鍾乳洞には約5億年前の石灰岩地層が残されており、様々な動植物も観察できる。川の流域ではマングローブクルーズが行われている。

この島は生き物の楽園
大空にはワシやホーンビル(サイチョウ)が優雅に舞う姿が見られる。ランカウイでは200種類以上の鳥が確認されており、専門ガイドによるバードウォッチングツアーも開催されている。

イーグルスクエア Eagle Square
クア タウンのフェリー乗り場近くにある巨大なワシのモニュメントはランカウイのシンボル。ランカウイのランは「helang=ワシ」カウイは「kawi=大理石」に由来するのだそう。

マハタワー Maha Tower​
2022年にクア タウンに開業した新名所。高さ138mの塔は夜のライトアップも美しく、特にサンセットタイムは大人気。スカイラウンジやスカイデッキ、ショッピングなどが楽しめる。

 

 ケダ州のグルメ

タイに近い北部地方の麺料理というと、小麦麺より米麺のほうがポピュラーで、ラクサなどの米麺がよく食されている。また、西海岸のクアラ ケダやタンジュン ダワイなどの沿岸地域を中心に、イカン バカーと呼ばれる魚介類のバーベキュー(BBQ)が有名で、夕方から営業するお店が多く、新鮮なシーフードを味わうことが出来る。
また、州内にはタイ料理のレストランも数多く営業している。

ラクサ ケダ​ Laksa Kedah
魚だしのスープに太めの米麺。ラクサ ウタラ(北部のラクサ)と呼ばれることもあるように、ペルリスやケランタンのラクサにも共通するラクサ。トッピングはキュウリの千切り、ゆで卵、紫玉ねぎ、ハーブ。好みでライムと唐辛子を添える。​

 
ナシ ウラム  Nasi Ulam​
ペルリス州、ペナン州などを含む西海岸の北部地域でよく食べられているハーブたっぷりのヘルシー混ぜご飯。数種類のハーブ、焼き魚のほぐし身などを混ぜ、サンバル ブラチャン(干しエビの辛味ペースト)を添える。​
イカン バカー Ikan Bakar
新鮮な魚貝類を炭火で香ばしく焼き上げたもの。皮はパリッと、中はふっくら仕上がる。サンバルの辛味、ライムやタマリンドの酸味で味わうのが定番。バナナの葉で包んで焼くので、爽やかな香りが魚に移る。​


 

 ケダ州出身の著名人

「マレーシア独立の父」トゥンク アブドゥル ラーマン初代首相
(1903年~1990年、87歳で逝去)​
父が第26代クダ王国スルタンで、アロー スターに生まれる。幼少期にバンコクに留学し、後にペナンで学び、ケンブリッジ大学へ進学。法学を学び、弁護士資格を取得。
1949年に帰国し、政治活動を開始。1955年の総選挙で圧勝し、マラヤ連邦初代首相に就任。1957年8月31日、イギリスからの独立を達成し、ラーマン首相が「Merdeka!」と叫ぶ姿は、今も国民の記憶に刻まれている。1963年、マラヤ連邦にサバ州、サラワク州、シンガポールが加わり、マレーシア連邦が誕生。初代首相として引き続き国家を率いた。1967年のASEAN設立にも尽力し、東南アジアの平和と協力関係構築に貢献。
1970年、67歳で首相を退任するまで、15年間首相を務めた。
また、アジアサッカー連盟 (AFC) 会長を20年間務め、サッカーを通じた国際親善にも力を注いだ。​
大学名、ビル名、通りなどにラーマン首相の名を冠したものが多く、今もマレーシアの誇りとして語り継がれている。

「マレーシア近代化の父」マハティール ビン モハマド元首相
(1925年7月10日生まれの100歳)
英領マラヤ時代に9人兄弟の末っ子として生まれる。父はインドから移住してきたイスラム教徒の家系でアロー スター初の英語学校の校長であった。
1953年マラヤ大学シンガポール校(現シンガポール国立大学)医学部を卒業し医務官となるが、後に開業医となる。
1964年下院議員に初当選。1974年教育相、1976年副首相兼貿易相を歴任後、1981年UMNO総裁・マレーシア第4代首相に就任。日本他東アジアを手本に国の開発を進める「ルックイースト政策」を採用し、自国を「東南アジアの優等生」と呼ばれるまでに成長させた。
2003年に退任したが、2018年5月に行われたマレーシアの連邦下院選挙でマハティール氏率いる野党連合がナジブ ラザク氏率いる与党連合に勝利して、マレーシア独立以来初の政権交代が実現し、15年ぶりに92歳という年齢で首相に返り咲いた。民主的な選挙で選ばれたリーダーとしては世界最高齢であった。2020年2月に首相を辞任。
近年は体調不良により入院することも増えたが、100歳の誕生日を迎えてからも、アンワル首相の退陣を求める野党主催の大規模集会で演説したり、九州大学を訪れて講演するなど、積極的な活動を続けている。

「眼科医から政治家へ」ワン アジサ元副首相
(1952年12月3日生まれ、72歳)
現職のアンワル首相と1980年に結婚。6人の子女を持つ医師であり、政治家でもある。
父方の祖父を通じてプラナカン*の血を引いており、マレー系イスラム教徒の家庭で育つ。アロー スターのコンベントスクールで学び、セレンバンのトゥンク クルシア カレッジに進む。その後、アイルランドの王立外科大学で医学を学び眼科医の資格を取得し、マレーシアで医療の仕事に従事する。
1993年にアンワル氏が副首相に就任したものの、1998年に解任、逮捕されると、政党を設立し政界入りする。それはアンワル氏がいつでも政界復帰できるように、その政治基盤を維持するためであったが、結果として自身が数々の公職を歴任することとなった。
2018年5月から2020年2月のPH(希望連盟)政権崩壊までは、マハティール首相率いるPH政権で副首相兼女性・家族・コミュニティ開発大臣を務めた。アンワル氏の投獄中も冷静に党を導き続け、2022年には悲願だったアンワル氏の首相就任につなげた。
*プラナカン:15世紀後半から東南アジアに移住して来た主に中華系移民の子孫

 

  ペルリス州  Perlis


ぺルリス州はケダ州のさらに北に位置するマレーシア最北の州。かつてケダ王国の一部だったこの州は、マレーシア最小の州として知られる。
産業は農業のほかに目立ったものがなく、邦人にとっては馴染みのない州かもしれない。陸路でタイへ渡る時にはケダ州から越境するが、鉄道の場合はペルリス州の国境駅「Padang Besar」を通過する。ランカウイ島へフェリーで渡る際には Kuala Perlis からのルートを使うこともできる。
ペルリス州もマレー系住民が86%と圧倒的に多く、休日は金曜日と土曜日。KLにはない祝日「モハメッド昇天祭」などがある。​

交通(KLから北へ500km)
空の便:最寄り空港はケダ州アロー スター
マレー鉄道:KTMのETS KL⇔Padang Besar駅(5.5時間 RM90~130)
乗用車:6時間(南北高速道路)
ランカウイへ:Kuala Perlisからフェリーで約1時間
オンライン配車サービス:利用可能

特徴

  • 際立って領土が小さく、国内最大州サラワクの面積の1%にも満たない
  • 気候を生かした農業が主な産業で、米とマンゴーが特産品
  • 海沿いの町では漁業や海産物の加工も見られる
  • 州旗の黄色は君主を、青は州民を表している

ペルリス州の紋章
緑色の盾と2本の稲穂
盾は州の栄光を表す

州都 カンガー Kangar
王都 アラウ Arau
人口 約30万人
面積 819㎢
産業 農業、漁業
KLにはない祝日:
・ラジャ誕生日5月17日
・モハメッド昇天祭 (毎年日付が変わる)
・ハリラヤハジ2日目


Sultan Perlis


サイド シラジュディン 州王
(1943.5.17生まれ、82歳)
1843年以来ペルリス州を統治するジャマルライル王家の第7代王。1945年から王位にあった父の崩御に伴い2000年にペルリス王に即位し、2001年〜2006年までは国王も歴任。
アラウとペナンで学んだ後、1963年までイギリスに留学、その後イギリス王立陸軍士官学校にも在籍。帰国後は軍において数々の重要な役職を歴任。教育や慈善活動にも積極的に関わる王として知られ、国内外の勲章を数多く受賞。

Q.ペルリス州はどうしてこれほど面積が小さいのか?

A.  現在のペルリス州の領土(819㎢)はもともとはケダ王国に属していた地区である。シャムがケダを奇襲攻撃したことにより始まったケダとシャムの衝突(1821-1842年)において、シャム王がケダ王国を4つに分割してしまった。そのうちの1つペルリスは、1843年に1つの王国として独立することがシャム王に認められたことがその始まりである。


◍ 独立に至った直接要因
ケダ王国はシャムとの関係が深く、長い間シャムの朝貢国とされてきたが、1821年にシャムに奇襲され、シャム人領主による直接支配下に置かれた。ケダの民は殺害されたり捕虜として連れ去られたりしシャムを恐れたが、ケダスルタン親族らと協力してケダ奪還の命がけの反乱を何度も試みた。シャムへの宗教面の反発もかなり根強く、この激しい衝突は20年ほど続いた。
繰り返し起きる反乱にシャム王は、1839年にケダを4つ(ケダ、ペルリス、クバンパス*、サトゥーン**)に分割することにし、シャム王が選んだ領主がそれぞれに送り込まれた。これは、ケダの力を抑え込みたいシャムの分割統治であった。
ペルリスにおいてもシャム王によって知事と副知事が任命されたが、知事(シャムの官吏)が数年で死去したことにより、副知事だったサイド フセイン(ケダ王国の親族)がシャム王によって正式に君主に任命され、1843年にぺルリス王国として建国が認められた。この家系が男子世襲で現在の第7代王まで引き継がれている。


◍ ペルリス王族の家系
サイド フセイン(初代ペルリス王)の父は、誰からも尊敬される宗教指導者であった。サイド フセインも、ケダ王国をシャムから独立・回復させるための交渉において重要な役割を果たし、それを見事に実現させ、ケダのスルタンや民からの信頼と尊敬を集めた指導者だった。その功績や人柄を示す逸話も伝わっている。
また、スルタンはイスラム教のカリフと呼ばれる人だけが任命できるため、シャム王によって任命されたペルリス王は「ラジャ (Raja) 」と呼ばれているが、他の州のスルタンと同じく、国王を務める資格がある。

◍ 4つに分割された他の3つの地区はどうなったのか?
ケダ(4分割された1つ):ケダスルタンが王位に復帰

分割統治により領土はかなり縮小してしまったものの、シャム王によってスルタンの復帰が21年ぶりに認められた。イスラム王国の直接支配は難しいとシャムが断念した結果である。
*クバンパス:後にケダ州に復帰・統合
ケダスルタンの親族にあたるトゥンク アヌムとその子孫により1839年から24年間統治されたが、問題が起きたため1863年にケダ州に統合されることになり、現在のケダ州領土を形作った。
**サトゥーン:タイの領土に
ケダスルタンの親族にあたるトゥンク・ムハマッド・アキブが統治。比較的タイ民族の人口が多かったこともあって、1909年の英泰条約でシャムの県として残ることになり、現在のタイ・マレーシア国境が確定した。



1909年の英泰条約では、ペルリス州、ケダ州、クランタン州、トレンガヌ州の北部の4つの州がイギリス領マラヤに編入され、英国の保護州となった。マラヤ連邦は1957年8月31日に英国から独立し、現在に至る。
 

 

このような歴史から、北部の州では現在もタイとの関係が深く、タイ民族のルーツも持つマレーシア人も多い。タイに親類がいる家庭も少なくない。また、タイ南端諸州には今もマレー系ムスリムが多く、マレーシア北部には南タイ方言を話すムスリム(マレー語話者のムスリムからはサムサムと呼ばれる)も少数ながら存在し、近代国家の境界線が引かれる以前の歴史とその複雑さが残されている。
 

 ペルリス州の観光地

アルウィ モスク(Alwi Mosque)
カンガーの町の中心部に1933年完成。2008年には国家遺産に指定された歴史的建造物。建設費用はRM64,684とされ当時としては非常に高額だが、政府の資金援助を受けず寄付によって賄われた。単なる宗教施設ではなく、地域の誇りと信仰の象徴となっている。
ケダ州のザイールモスクによく似た美しいモスクで、当時のペルリス王・サイド アルウィにちなんで命名された。

ペルリス州立博物館  (Kota Kayang Museum)
伝統的なマレー建築の建物で、ペルリスの歴史や文化を紹介する博物館。歴史的遺物や工芸品など見応えあるコレクションが展示されている。古代宮殿があった場所に建ち、背後に石灰岩の丘があるため敵の攻撃から守る障壁として機能していた。第二次世界大戦中、日本軍とタイ軍政府によって使用され、戦後はペルリス州の首席大臣の住居となったが、1991年に現在の博物館に生まれ変わった。

アル フセイン モスク  (Al Hussain Mosque)
クアラ ペルリスにある海沿いのフローティングモスクで、2011年にオープン。モスクの造りをよく見ると、珊瑚石、大理石、花崗岩、小石といった自然素材で埋め尽くされている。ドームに描かれている青のモチーフが特徴的。お祈りの時間になると、赤、青などの光線が点灯するため、様々な目印の役目も果たしている。おすすめの訪問時間は日没時。水面が黄金色に染まり美しい。

グア ケラム
Gua Kelam Recreational Park
マレーシア最古の洞窟の1つで、ライトに照らされた洞窟内には石灰岩の層が広がる。370mの長さの歩道があり探検気分が味わえる。20世紀半ばに栄えた錫鉱山が裏手にあり、洞窟内の渡し橋を利用して錫鉱石を運び出していた名残が見られる。

水田地帯 Kangar Rice Fields
ペルリス川沿いの沖積地は国内有数の米作地帯として知られる。カンガー周辺では水田の中に伝統的なマレー家屋が点在し、のどかで美しい風景が広がる。主にインディカ種(長粒米)が栽培されており、ナシレマや炒飯に合うパラパラとした炊き上がりの品種。

カンガーの壁画通り
Kangar Street Art

カンガー中心部の通りに広がる壁画で、ペルリスの伝統、風景、食文化などをテーマに描かれている。訪問者が絵の一部になれるような工夫が施され、ユニークな写真が撮れる。裏路地や駐車場だった所が見事に再生されている。
 

国境の街 パダン ベサー
Padang Besar
タイ国境のこの町は、ショッピングの町として有名。屋台や露店、ショッピングモール等が集まっている。カジュアルウェアから雑貨、ペルリスのお土産・記念品、地元の軽食など様々な商品が揃っている。

 ペルリス州の名産品&グルメ

ハルマニス マンゴー Harumanis Mango
ハルマニスとはペルリス州を代表する高級マンゴーの品種で、マレー語の「harum(香り高い)」と「manis(甘い)」から名付けられた。繊維質がほとんどなくシルクのような滑らかな口当たりで、香りと甘みが特徴。旬は4月〜6月頃で、収穫は年に一度。熟しても皮は緑色のまま。他州でも同じ品種が育てられているが、商標登録された2011年以降はペルリス産のみ名乗れるようになった。

プルット メンペラム Pulut Mempelam
ペルリス地方の伝統的なマンゴーデザートで、
炊いたもち米に生のマンゴーと甘いココナッツソースを添える。タイの「カオニャオ・マムアン(マンゴースティッキーライス)」によく似ているが、ペルリスではハルマニス種を使うことで独自性を出している。ドリアンの季節にはマンゴーの代わりにドリアンと合わせたプルット ドリアンも食べられる。
ラクサ ペルリス Laksa Perlis
ラクサ ケダと同じく北のラクサとも呼ばれ、麺もスープもほぼ同じもの。サバやイワシ、トーチジンジャー、ラクサリーフなどをブレンドしており、魚の風味がはっきりと感じらるラクサ。太めの柔らかい米麺にゆで卵、千切りキュウリ、紫タマネギのスライス、ハーブなどをトッピングする。

 

Visit Perlis 2024-2025

今年はペルリス州観光省が観光客誘致に力を入れている年で、ペルリスの魅力を積極的に発信しています。

観光省発行のこの州マップは、イラスト付きで見どころが一目瞭然。
画像をクリックすると、PDF版が見られます。

 
今回はケダ州とペルリス州を取り上げましたが、いかがでしたか。新しい発見はあったでしょうか。
他の州についても、今後のニュースレターで順に紹介していきます。

 


 


大使館からこんにちは

<日本文化で結ぶ日馬の絆>

在マレーシア日本国大使館
広報文化部
緒形 惇

 在マレーシア日本国大使館では、マレーシアの方々の日本への関心を高め、理解と信頼・親近感を深めてもらうことを目的として、日本の多様な文化を紹介する取組を進めています。伝統文化からポップカルチャーまで、マレーシアの皆さまの関心やニーズを反映した企画に、主催・共催・後援・出展といった形で関わり、日本文化への理解を深めていただくことを目指しています。2025年は既に数多くのイベントに携わっていますが、特に直近数か月に開催された主なものをご紹介します。
 

♦第49回KL盆踊り大会(Bon Odori 2025)


 

 7月12日(土)・13日(日)の2日間、Sunway Resort Hotel前の特設会場にて第49回KL盆踊り大会が開催されました。この大会は1977年に在留邦人の子どもたちへ日本文化を伝える目的で始まり、今では毎年3万人以上が訪れる世界最大級の日本文化イベントとなっています。
 今年は、JCKL、JSKL、当館及び Sunway City Kuala Lumpur の共催となり、会場を新たにしました。会場では伝統的な日本民謡に合わせて、会場内に設置されたやぐらの周囲で参加者が踊りを楽しみ、多彩な日本食の屋台も人気を集め、2日間で約5万人が来場するなど、例年以上の盛り上がりを見せました。

 

♦ジョホール盆踊り2025


 

 盆踊りが開催されるのはKLだけではありません。
 7月18日(金)から20日(日)にかけて、ジョホール州でも「Bon Odori Johor 2025」が開催され、地元の皆さんを中心にたくさんの来場者でにぎわいました。19日(土)の開会式には二瓶大輔公使が出席し、ジョホールで盆踊りが開かれる意義について述べながら、日本とマレーシアの友好関係がこれからも末永く続いていくことを願いました。
 当館は、マレーシア元留日学生協会(JAGAM)の協力のもと、ブースを出展。浴衣や法被の試着コーナーや、剣玉・輪投げといった昔ながらの日本の遊び、七夕の短冊に願い事を書く体験など、さまざまな日本文化を紹介しました。小さなお子さんから大人まで、たくさんの方々に楽しんでいただき、会場は笑顔と温かい交流に包まれました。

 

♦Japan Expo Malaysia 2025


 

 7月18日(金)から20日(日)までの3日間、クアラルンプール・コンベンションセンター(KLCC)で「Japan Expo Malaysia 2025」が開催されました。このイベントは日本の食文化、観光、教育、ライフスタイルなどを広く紹介する大規模な日本関連イベントで、今年で第6回目を迎えました。
 四方大使は開会式で挨拶を行うとともに、今回初の取組として日本文化やビジネスの発展に貢献した個人・団体を表彰する「ジャパン・エキスポ・マレーシア・アワード」の表彰式でプレゼンターを務めました。
 当館は、本イベントの後援のほか、マレーシア折り紙アカデミーと共同でブースを出展し、折り紙の展示やワークショップを通じて、来場者の皆様に日本の折り紙文化を体験いただきました。

 

♦東京交響楽団特別演奏会 in クアラルンプール


 

 クラシック音楽を通じた日本とマレーシアの交流も、今年は大きな一歩を踏み出しました。
 6月1日(日)、ペトロナス・フィルハーモニック・ホールにおいて、「東京交響楽団 特別演奏会 in クアラルンプール」が開催され、四方大使も出席しました。この演奏会は東京交響楽団がアジア地域全体で音楽文化の向上と相互理解を深めることを目的とする「アジア・プロジェクト」の一環であり、マレーシアでは今回が初めての開催となりました。
 当日は、日本を代表する指揮者・大友直人氏の指揮と若手実力派ピアニスト・牛田智大氏の美しいピアノ演奏が披露され、訪れた多くのマレーシアの皆さんを魅了しました。
 さらに、今年9月には、日本から著名な指揮者・広上淳一氏を音楽監督として迎え、マレーシア・フィルハーモニック・オーケストラとの合同演奏会も予定されています。今後も音楽を通じて、両国の交流が一層広がり、文化的な絆が深まっていくことが期待されます。
 



いかがでしたでしょうか? ご紹介したのは、本年に行われた取組のほんの一部です。
「マレーシアの皆さまに日本文化をもっと身近に感じていただけるように。」
そんな想いを込めて、当部では今後も多彩な文化交流を続けてまいります。
 

 

 

🥄 マレーシア風味の唐揚げ ☕
 


料理講習会講師 ちはる


 


日本人も大好きな鶏の唐揚げは、マレーシア料理ナシレマのおかずとしても人気があります。
マレーシア風味にする場合、漬け込む調味料はお馴染みの醤油ではなくレモングラスやスパイスなどで、これがマレーシア風味の決め手になります。ご飯によく合うのはもちろん、チャパティ(インドの薄いパン)などに野菜と一緒に巻いて食べても美味しいです。
*マレーシアの唐揚げは骨付きのまま調理されることが多いですが、今回は骨なし肉を一口サイズに切って漬け込み、揚げ時間を短くしています。

🍳  材料  3~4人分

鶏肉 (骨なし、皮付き)  400~600g

漬け込み材料①
・ニンニク 3~4粒
・シャロット 80g
・生姜 20g
・ガランガル 20g
・レモングラス 3本
・水 80ml

漬け込み材料②
・カレー粉 大さじ1
・ターメリックパウダー 中さじ1
・コリアンダーパウダー 中さじ1
・チリパウダー 中さじ1
・塩 小さじ3/4
・片栗粉 大さじ6

ガランガル Galangal
(マレー語:Lengkuas)  RM1.7/100g
生姜より硬めなので扱いにくいが、香りが高くアジア料理に広く使われている。新鮮で若いものを選ぶとペーストにしやすい。乾燥すると更に硬くなるので、水に浸けて販売していることもある。
(写真は左下がガランガル)
 

カレー粉(肉料理用)
Meat Curry Powder  RM2/25g
スパイス類はBABASの商品がおすすめ。カレー粉には肉用と魚用の2種類があり、調合されているスパイスが違う

ターメリックパウダー
Turmeric Powder  RM1.5/25g
ショウガ科ウコン属の多年草で、根茎を乾燥させ粉末にしたもの。カレーを黄色くするスパイス

コリアンダーパウダー
Coriander Powder  RM2.7/50g
爽やかな香りと奥深い風味があり、カレーによく使われる。抗酸化作用、デトックス効果あり

レモングラス(右上)
Lemongrass RM3/pack
レモンと同じ香り成分が含まれ、レモンのようなさわやかな香りを持つハーブ。イネ科の多年草で、緑色の茎の部分は廃棄し、根本の5~6㎝くらいだけ使用する
(レモングラスの下がガランガルの皮を剥いたもの)

🍳  作り方

①上記の漬け込み材料①のすべてをフードプロセッサーに入れ、ブレンドする。またはおろし器を使ってペーストにする

②レモングラスが硬くておろし器でペーストにできなければ、ポリ袋に入れて棒で叩いて細かくする(繊維状のままでも大丈夫)

③ペーストに漬け込み材料②をすべて入れ、よく混ぜる

④鶏肉は適当な大きさに切り分け、フォークを突き刺して味を染み込みやすくする

⑤鶏肉とペーストを混ぜ30分(冷蔵庫で25分、室温で5分)おく。常温に戻してから揚げると焦げ付きにくくなる

⑥油で揚げる時にペーストがたくさん付いていると焦げやすいので、なるべく落とす

⑦中火で2分揚げ、1分半ごとにひっくり返す。焦げないように気をつけながら合計6分揚げる (骨付き肉の場合は10分以上揚げる)

⑧残ったペーストは、捨てずにそのまま揚げても美味しい。カラッと水分がなくなるまで、気長に揚げる

⑨揚げた鶏肉の上に⑧のペーストをまぶし完成

 

*このシリーズで紹介して欲しい食材や調味料・スパイス等あれば、事務局までお寄せください。office@jckl.org.my

 

 

 


今月の漢方
<カメゼリー 亀苓膏>

 

 


国際中医薬膳師、中国黒龍江中医薬大学中医学学士 坪井良和
 

カメゼリー  亀苓膏

 カメゼリーを食べたことはあるだろうか? 香港や広東省など中国南部では夏定番のスイーツで、亀苓膏(グイリンガオ)と呼ばれる真っ黒なゼリーに蜜や練乳をかけて食べる。マレーシアでも「恭和堂(Koong Woh Tong)」という、カメゼリーとハーブティーを専門に扱う有名店があり、チャイナタウンだけでなく各地のショッピングモールにも店舗を構えている。見かけたことのある人も多いのではないだろうか。

 ただただ苦いカメゼリー。果たして本当にカメの成分が入っているのか? というのは誰もが思う疑問らしい。調べてみると、もともとのカメゼリーは「土茯苓(ドブクリョウ)」という生薬と、「亀板(キバン)」と呼ばれるカメの腹側の甲羅部分を煮出して作るものであった。中国広西チワン族自治区の梧州で撮影された伝統的な製法を見ると、材料自体はシンプルだが、調理にかなりの時間と労力が必要なようで、まず、カメの甲羅を洗浄し焼成するという下処理を行い、その後、煮出すだけで15時間以上。そこに土茯苓を加えさらに煮込み、ゼリー状に固めてようやく完成する。色が薄く、黒というより褐色だったらしい。

 中医学では、カメの甲羅(亀板もしくは亀甲ともいう)は「滋陰薬(じいんやく)」に分類される。これは体の陰(=潤い・血液・精など)を補う薬であり、とくに腎精や腎陰を強力に補う作用があるとされている。そもそも動物性の生薬は「血肉有情之品(けつにくゆうじょうのしな)」と呼ばれ、人間の血肉に直接作用すると考えられていて、亀板は、枸杞子(クコシ)や麦門冬(バクモントウ)など植物性の滋陰薬よりも強い作用があり、重篤な熱性疾患には煎じ薬として用いられたり、アンチエイジングのためにはシロップ状にして少量を長期服用する使い方がされる。一方、カメゼリーに使われるもうひとつの主な生薬「土茯苓」には、去湿(体の余分な水分を除く)、清熱(熱を冷ます)、解毒(毒素を排出する)作用があり、疥癬(かいせん)や潰瘍を伴う皮膚病、便秘などの治療に使われてきた。つまり、カメゼリーとは、湿度の高い暑い夏を乗り切るための、理にかなった養生食品だったのだ。

亀板の焼成:甲羅や骨、貝殻などの生薬は、小石や砂、土などと一緒に熱を加え、成分を抽出しやすくする 

 現代ではこのような手間のかかる方法は取られないと思われるし、カメの成分そのものも使われていないのでは――と思いきや、実際に中国本土で販売されている製品の中には、今でもカメの成分がきちんと含まれているものが多い。ただし、従来使われていたカメ(金銭亀)は現在、絶滅危惧種に指定されており、代替としてスッポン類の甲羅が用いられることが多いという。マレーシアでは動物由来の生薬の輸入が禁止されていることが多いので、国内製造のカメゼリーは植物性素材で代用されている可能性が高い。ちなみに、マレーシア恭和堂の成分は公開されていない。

 現在私たちが手にすることができる市販のカメゼリーの多くは、以下のような生薬で構成されている。

  • 涼粉草 リャンフェンツァオ
    (仙草 シェンツァオとも呼ばれる)
  • 茯苓 ブクリョウ
  • 蒲公英 タンポポ
  • 金银花 キンギンカ
  • 槐花 カイカ
  • 甘草 カンゾウ

マレーシアで一般に食べられるカメゼリーの材料
 

 いずれも体を冷まし、炎症を抑える作用のある素材ばかりだ。中でも注目したいのが、福建省や台湾では夏の定番食材としてよく使われている「涼粉草(仙草)」。深い緑や黒色で、味や香りはほとんどない。マレーシアでは黒い寒天のような食材で、サイコロ状または細長く切ってアイスカチャンや豆乳に入れられていることが多い。ミルクティーに加えられるなど、現代風のアレンジも見られる。仙草は亀板ほどの効能はないものの、解熱・解毒作用があり、喉の渇きを癒す効果がある。現代のカメゼリーの主な効能は、体内にこもった熱を冷ます、余分な水分を排出する、便秘や肌荒れに効果がある――といったところだろう。

 中国産食料品店などでは、缶入りのカメゼリーや、簡単に自宅で作れる粉末タイプのカメゼリーの素も販売されている。選ぶ際のポイントとしては、熱冷ましやデトックスを目的にするなら亀甲が入っていないものを、アンチエイジングや発熱時などには亀甲成分入りのものを選ぶとよい。ただし、カメゼリーは体を冷ます作用が非常に強いため、手足やお腹が冷えやすい人、お腹を壊しやすい人、妊娠中や生理中の女性は食べすぎないように注意が必要だ。
 

涼粉草:シソ科の植物で、夏場によく用いられるハーブ
 

中国産缶入りカメゼリーとその成分
 
 
 

 

KL日本人墓地 秋季慰霊祭のご案内

 

2025年9月21日 (日) 午前10時~(午前11時半ごろ終了予定)

場所:クアラルンプール日本人墓地・慰霊堂
住所:No2. Jalan Lapangan Terbang Lama, KL
Google Map、Waze「Japanese Cemetery」で検索可能

式次第 (予定) 
・KL日本人会 星合会長挨拶
・四方大使 御挨拶
・読経、焼香、法話
・慰霊碑 献花
・墓地前供養 (花、線香)

今回も日本から良輝和尚をお迎えします。どなたでもご参加いただけますので、当地に眠る先達、同胞のご冥福を一緒にお祈りしましょう。
お線香やお花は当会で準備しておりますので、お気軽にお出でください。
駐車場もございます。

詳細は、ホームページのお知らせをご覧ください。


慰霊祭は慰霊堂内で (エアコン完備)

墓地前供養 (献花、線香)

 
 

アジア域内事務局長会議2025

 

 この会議はシンガポール、タイ、マレーシアの3か国の事務局長の提案で1996年から開始されている定例の情報交換会議であり、今年で29回目の開催となる。当初はこの3団体のみの参加であったが、その後徐々に参加団体が増え、現在の規模となっている。

 今回はベトナムのホーチミン市で8月2日(土)に開催された。参加団体は、幹事のホーチミン日本商工会議所を始め、マレーシアからはKL、ペナン、ジョホールの各日本人会、他にはシンガポール、ジャカルタ、香港、ヤンゴン、マニラ、カンボジア、台湾の各日本人会、合計10ヶ国12団体からの参加となった。欠席はハノイのベトナム日本商工会議所。


 

今回の各会から発表された経営状況・課題は次の通り。

タイ国日本人会

  • 個人会員4,800人~5,000人レベル。法人会員は500社ぐらい
  • 在留邦人の加入比率は2000年頃までは4割強だったが、現在は6%台に激減
  • 会費は2007年に倍額に値上げしたがその後は上げていない(その前は1983年に改定)
  • 現在は赤字により繰越金が減少中なので、会費値上げを考えている
  • サトーン本館は所有。スクムビット別館は賃借
  • 今年35年振りに運動会を開催し、350名が参加した。盆踊りは規模の問題で開催出来ない

シンガポール日本人会

  • 個人会員、法人会員共に減少している
  • 在留邦人の4割が会員だが、会費約6,000円/月は日本人にとっては高い
  • ローカル会員の比率は現在15%だが、これをもっと増やすことが目標。入会金、会費高いが、ローカルの富裕層にとっては高くない様子(アメリカンクラブと比較されがち)
  • レストランは赤字経営。ローカルにとってはレストラン利用(会員限定、市中より安い)が入会目的になっている。また駐車場がある点も魅力

ジャカルタジャパンクラブ

  • 日本人会と商工会とが一緒の組織で法人部会(商工会)と個人部会(日本人会)がある
  • グラウンドの売却を完了したが、売先の好意で今のところは利用可能。売却金の運用益の有効活用により会費値下げを検討中
  • 現在の会費は8,600円/年だが、グラウンドのみ使うには高いという声あり
  • 個人会員数2,600名。法人は680社
  • 現在20のクラブがある。会員特典としてゴルフ場割引。インドネシア語講座は好評

香港日本人倶楽部

  • 24年度で累積赤字に陥った
  • 経費節減を図っているが、会館のレンタルは2033年まで契約あるのでそれまでは転居できない
  • レストランは自前だが赤字で、外部委託は難しい。利用者は65%が香港人
  • 個人会員1,600名。法人会員の下で個人会員が登録可。他に完全個人会員もある。会友(香港人)は400名くらい
  • 会費やレストランは日本人にとっては高いが、香港人富裕層にとっては高くない様子
  • 図書室、講座は日本人向けで、香港人の入会目的はレストラン利用のみ
  • 日本人会員の減少要因として居住地域が郊外に移りつつあるという地理的な問題もある
  • 提携先の会員制クラブもみな不調。英国式のクラブ文化は今の世代に合わなくなりつつある

ジョホール日本人会

  • 人件費が支出の殆どを占めている
  • 繰越金が減少しており2021年に会費値上げ実施した結果、ギリギリ黒字の状況
  • 最近は企業の移転により退会が増えている(ジョホール州内だがJBから遠い)
  • 婦人部は無くなった(活動に参加する人の減少による)
  • 盆踊りには直接の関与無し。太鼓と踊りの依頼にもとづき、日本人学校の児童・生徒がボランティア参加している

マニラ日本人会

  • 会員数は3,700名から3.200名に減少
  • 既存会員からの口コミの方が会員増加には効果あり
  • 盆踊り(5,000人、参加者は日比半々)、ゴルフ大会(144名参加、ショットガン方式)、文化祭(サークル発表会)等を実施。収容人数が定員オーバーの場合は2部制もある
  • 拳銃強盗増えており、治安が悪化している
  • 2022年、2023年連続赤字で2024年4月に17年振りに会費値上げ実施。(法人25%、個人20%の値上げ。6カ月先行でNotice出した)

ペナン日本人会

  • 会員数は2011年がピークで1,000人くらいだったが、昨年末には528人にまで減少した
  • 盆踊りはペナン州政府観光局、日本人会、馬日協会、JAGAMの共催。企業から寄付を募って花火大会を実施(7分間)。他に婦人部の踊りなど。日本人学校は太鼓演奏とソーラン節を披露している。今年は7月19日に終了したばかり。昨年は延べ8万人が来訪(今年は未だ発表していない)
  • 盆踊り以外によさこいパレードもある
  • 法人会員向け三水会77社(ピーク98社)の勉強会を開催。JACTIMと三水会の合同例会も
  • 過去20年間会費値上げ無し。(最後の改定は2004年)現在赤字状況で値上げ検討中

台彎日本人會

  • 工商会と同居しており、サポート受けている。(でないと赤字)現在若干の黒字状況
  • 婦人部は昨年人数集まらず22名から8名に減少した
  • 慰霊祭は3か所で実施。日本から20名無償で来てくれる
  • 会員数は2,000名弱。在留邦人の8~9%
  • ふれあいフェスティバル開催し800人くらいが参加した。費用は企業の協賛金で賄う
  • ゴルフ大会は参加費徴収して実施。一部費用を会から補助した

ホーチミン日本商工会議所

  • 商工会議所の看板で、一部日本人会の機能を持っている
  • 現在会員は1,081社。学校は680名の児童生徒
  • 会員メリット:メンバーカードによる会員割引。加盟店(現在300社)では5~10%の割引が得られる(ハノイと共用)。カードは1社3枚入会時に送る。同じ社内なら誰でも利用できる
  • 定期的なイベントは運動会、盆踊り、新年会、セミナーなど
  • 新年会はファミリー向けで600名程度参加したが、ホテルと提携して日本料理を充実させ好評だった。日航ホテルの料理が格安で食べられるが、チケットは会員でないと買えない

ヤンゴン日本人会

  • 政変とコロナで在留邦人が2020年末は3,369名だったが、2024年末には2,171名に減少
  • 現在の会員数71社、446人。会社によっては家族帯同不可の会社もある
  • 日本人学校は現在園児2名、児童22名、生徒12名の計36名
  • 優待店の拡大、イベントの開催などで魅力アップを図っている
  • 非常事態宣言が解除され、言論の自由や夜間活動制限も解除されたが、ミャンマー人にとってはあまり変わらない様子

カンボジア日本人会

  • 2021年に在留邦人ピーク4,000人だったが、以降は減少中(在留届ベース)
  • 会員数は500人から300人に減少した
  • 反社は一般在留邦人への影響も出てきている。誹謗中傷が酷く、役員のなり手に影響している
  • 最近ポイペトで29人特殊詐欺邦人逮捕された。当局によると1500人の邦人が在留中とのこと
  • 邦人が被害を受けた場合に相談を受けるが、大半は大使館や会社に相談出来ない案件


 長期的に見て何処も会員数が減少傾向にあり、採算が苦しくなっている。この問題は各会共通の課題であり、各会共に会員を増やすための活動を実施中ながら、中々成果はあがっていない。既に会費値上げを実施したところもある一方、大半の会では10年或いはそれ以上の期間会費値上げを行っておらず、財政状況の悪化に伴い、会費の値上げを検討しているところが多い。

 次回は来年8月1日 (土)、マニラにて対面で開催予定。

文責:クアラルンプール日本人会事務局長 柳井教男

 

 

JFKL主催<日本映画祭2025>


今年もやってきました、日本映画祭の季節です!

第21回の開催を迎える今回は、誰もが愛する「食」にまつわる作品を特集上映。東北を舞台にした菅田将暉主演の『サンセット・サンライズ』や、TVシリーズが人気の『孤独のグルメ』劇場版、北海道の四季と4人の料理人を描いたフード・ドキュメンタリー『北の食景』の3作品で、皆さんを美食の世界に誘います。
また、日本で公開されたばかりの『花まんま』や、『カメラを止めるな!』でブームを巻き起こした上田慎一郎監督の最新作『アングリー・スクワッド:公務員と7人の詐欺師』など、ご家族・ご友人とお楽しみいただける作品が目白押しです。
毎年好評のスタンプラリーも実施いたしますので、ぜひお誘いあわせの上ご来場ください!
 

会期:2025年 9月10日(水) ~ 9月17日(水)

会場:GSC Mid Valley Megamall、GSC 1Utama、GSC MyTown
上映作品:『サンセット・サンライズ』『ショウタイムセブン』『366日』『からかい上手の高木さん』など計13作品
鑑賞料:RM10(『孤独のグルメ』を除く)

*各作品や映画祭の詳細は、JFKLウェブサイトwww.jfkl.org.my、チケットのご購入に関しては劇場のウェブサイトwww.gsc.com.my をご確認ください。


サンセット・サンライズ


花まんま


孤独のグルメ

 
 

 

*毎年日付が変わる祝日

  9月5日(金)*  Prophet Mohammed's Birthday モハメッド誕生日


イスラム教を創始した預言者・モハメッドの生誕を祝う日。日本語ではマホメット、ムハンマドと表記されることもある。スンナ派の多くはヒジュラ暦3月12日を、シーア派の多くはヒジュラ暦3月17日を生誕の日としている。
唯一神アッラーに選ばれた偉大な預言者を追悼する日であるが、特別な記念礼拝は行われない。モハメッドはあくまでも人間であり、偶像崇拝を禁じるイスラムの世界では、礼拝はアッラーのためだけに許される行為だからである。
マレーシアではこの日、イスラム界に多大な貢献を果たした国民への表彰式が執り行われている。


 
  9月16日(火)  Malaysia Day マレーシアデー


マラヤ連邦に英領のサバ州、サラワク州、シンガポール州が統合され、1963年9月16日に「マレーシア」という新しい国が成立したことを祝う日。2年後の1965年にシンガポールがマレーシアから分離独立し、現在のマレーシアが形成された。
マレーシアデーが祝日として制定されたのは、ナジブ首相時代の2009年で、2010年から国の祝日に制定された。これに伴い、独立に関する祝日が二つになったため、8月31日をナショナルデー、9月16日をマレーシアデーと記すようになった。

 

 

 


えっ!マレーシア <野鳥シリーズ②身近な川や湿地>

 

 

水辺を歩いていると、急に目の前で大きな鳥が飛び立って、驚いた経験はないだろうか。KLやその周辺の水辺にはたくさんの鳥がいる。前回7月号で「KL市街地で見られる野鳥」を紹介したが、今回は身近な川や湿地で見られる野鳥を紹介しよう。比較的大きな鳥が多く、じっと動かずに水面を見ていたりするので観察しやすい。
水色の鳥の名前をクリックして食事風景を見てみよう。(Youtubeショート動画)


🐤 日本にはいない鳥たち、日本では珍しい鳥たち

アカガシラサギ  Chinese Pond-heron  赤頭鷺

夏羽(3月~7月頃、繁殖期)

冬羽(9月~翌年2月頃、非繁殖期)

くちばしの先から尾羽の先までの体の大きさは40cmくらい。夏羽と冬羽があり、オス・メスともに夏羽は頭が茶色、背中が黒。冬羽は灰色で、顔と胸がまだらになる。マレーシアには1年中いて、夏羽と冬羽を両方見ることができる(写真はクラン川)。日本では九州や沖縄などでまれに見られる。
 

ムラサキサギ  Purple Heron  紫鷺


体の大きさは80cmくらい。灰色で、顔と首に黒の線がある(写真はクラン川)。日本では沖縄などで見られる。

 

インドトキコウ  Painted Stork  インド鴇鸛

体の大きさは90cmくらい。数羽が一緒にいることが多い。顔が赤いのは皮膚が露出しているため。大空を飛んでいる姿はツルのようにも見える(写真はクラン川)。

スキハシコウ  Asian Openbill  隙嘴鸛


体の大きさは80cmくらい。くちばしの間にすきまがあり、タニシなどの貝類を食べている(写真はプトラジャヤ ウェットランドパーク)

 

アジアヘビウ  Oriental Darter  アジア蛇鵜

首をのばすと体の大きさは90cmくらいで、潜水して魚を取る。泳いでいる時には体が水中にあって頭と首しか見えず、潜ると少し離れた場所に現れる。潜水のために防水用の羽の脂が少なく、びしょぬれになってしまうため、水から上がるとよく羽を広げて乾かしている。(写真はプトラジャヤウェットランドパーク)

ハイガシラセイケイ
Grey-headed Swamphen 


水辺にいて、アヒルよりも一回り小さい。頭の上と足が赤く、青い鳥できれい(写真はプトラジャヤウェットランドパーク)。水草や小魚、昆虫などを食べており、足でつかんで食べることもある。
 


🕊 日本にもいる鳥たち

コサギ  Little Egret  小鷺
 

体の大きさは60cmくらい。体は白。体が白いサギには、もっと大きいダイサギ Eastern Great Egret 大鷺(体の大きさは90cmくらい)、チュウサギ Intermediate Egret 中鷺(70cmくらい)という種類もいるが、大きさの違いとともに、足の指の色で見分けることができる。ダイサギ、チュウサギは足が指まで黒いが、コサギは足は黒くて指は黄色(写真はクラン川)。小魚、エビなどを食べており、足をゆすって生き物を追い出している。
 

ゴイサギ  Black-crowned Night-heron  五位鷺
 

体の大きさは60cmくらい。頭と背中が青みがかった灰色で目が赤い(写真はクラン川)。日本にもマレーシアにも一年中いる。ゴイサギは日本の『平家物語』に出てくる。平安時代に醍醐天皇が池のほとりにいたサギをつかまえるように命じたところ、サギは抵抗することなくつかまった。天皇は喜んで、サギに貴族の「五位」の位を与えたとされており、この話にちなんでゴイサギと名付けられた。
 

イソシギ  Common Sandpiper  磯鷸


町でよく見るハト(ドバト)よりも一回り小さい。尾を上下に振りながら歩くところがかわいい(写真はクラン川)。日本にもマレーシアにも一年中いる。
 

ササゴイ Striated Heron  笹五位


体の大きさは50cmくらい。ゴイサギに似ているが、目が黄色(写真はクラン川)。日本には主に夏にいて、マレーシアには一年中いる。 ゴイサギに似ており、羽根の模様が笹の葉に見えることから「ササゴイ」と言われている。
 

シロハラクイナ  White-breasted Waterhen  白腹水鶏


体の大きさはドバトと同じくらい。頭と背中が黒くて、顔とお腹が白い。穀類、小魚、昆虫などを食べる(写真はクラン川)。日本では九州・沖縄などにいる。
 

アオサギ  Gray Heron  蒼鷺

体の大きさは90cmくらい。頭頂部に黒い線があり、羽は灰色。日本にもマレーシアにも一年中いて、コロニーをつくって子育てをしている(写真はプトラジャヤウェットランドパーク)。

 

クアラルンプールやその近くでは、川沿いや湿地の周りが歩けるように整備されている所がたくさんあります。散歩をしながら鳥を探してみてください。次回は身近な公園で見られる野鳥を紹介する予定です。(大橋 美幸)

 

JCKLニュースレター
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